粟のご先祖様エノコログサの全盛期です。
エノコログサは、今の季節、公園に、歩道に、空き地に、大帝国を築いています。
エノコログサの別名は「ネコジャラシ」です。子供たちはこのネコジャラシが大好きです。
江戸時代の俳人小林一茶も一句詠んでいます。
「よい秋や 犬ころ草(エノコログサ)も ころころと」
犬ころ草(エノコログサ)は秋の季語です。
エノコログサという名前の由来は、ふさふさした花穂が子犬の尻尾のように見えるので、「イヌコロ草」と呼んでいたけれど、「イ」が「エ」になまって変化し、「エノコロ草」になったと考えられています。
日本には縄文時代に、粟の栽培に伴って、畑の雑草として渡来しました。
粟の原種なので、エノコログサも種子の部分を食べることができます。
歴史をひもとくと、飢饉の時に食用としたそうですが、おいしくないそうです。
でしょうね。
エノコログサは私たち人間ではなく、小鳥たちの大切な食料になっています。
しかし、消化が悪く、そのまま体外に排出されます。
これが、エノコログサが広がる理由のひとつだと言われています。