つい先日、文化勲章を受章なさった桂米朝さんの一門会が福山で開かれ、その昼席に行ってきました。

ポスター

幟

会場:広島県民文化センター入口の様子

開演前

入り口で貰ったパンフレット
去年に続いての、桂米朝一門会に行ってきました。
果たして、米朝さんの御様子や如何に?
初めに登場は、ざこばさんの七番目の弟子、桂そうばさんです。
「鉄砲勇助」を半ばまで。
元気いっぱい。以上。
続いては、桂すずめさん。女優の三林京子さんが正式に米朝さんに弟子入りして、すずめの名で余興で無く、高座を務めます。
短縮バージョンの「高倉稲荷(高倉狐)」と(題を忘れた)狐に纏わる舞をひとさし。
うまい。
女優が片手間にやっている落語ではなく、落語家の噺になっていた。
特に登場人物の、狐の化けた芸娘や仲居の上方女性言葉はさすがであった。
踊りはよく判らないんですけど、よく判んないけどそれなりに良かった。
三番目は、桂雀々さん。はっきり言って、この人の芸風、口跡は好みではありません。
しかし、今回一番笑ったのは、雀々さんの「さくらんぼ」でした。
ナンセンス落語(でも、古典。江戸では「頭山」)に輪をかけるような、演出。
客にわざと媚びる、下座とのタイミングを演出でずらす、それに突っ込む、会話の途中で地噺に戻るどころか、素の雀々さんに戻って弁解する、下げの直前で下げを宣言すると言った具合で、反則技が次から次への大売り出し。
でも、今回一番笑ったのは、雀々。
中とりは、桂南光さんで、「はてなの茶碗」
今から、二十数年前、初めて上方落語を生で聞いたのは、米朝さんの「はてなの茶碗」でした。
場所は、我が家から数百メートルほどのお寺の本堂。地方での独演会だったと思います。
他の出演者、米朝さんの他のネタは全てキレイに忘れてしまいましたが、「はてなの茶碗」だけはハッキリと憶えてます。
それほどに、上手くて完成度の高い芸だったのでしょう。
本日の南光さんは、当時の米朝さんとほとんど同年齢になっているのですけれど・・・
この噺、登場人物が物売り、丁稚、番頭、道具屋主人、大富豪、関白、帝ともの凄い階級差があるのですが、残念ながら出来ているのは物売り、丁稚までで、番頭になるともうちょっと苦しい。
別の噺が聞きたかった。
中入り
中入り後、米朝さんが板つきで登場。
板つき:足の不自由な落語家が一旦緞帳を降し高座に着いた後改めて緞帳を上げる形式
当然、椅子にての座談だと思ってたので、見台、膝隠しを前にしての、上方落語の高座姿を見る事が出来、それだけで良かった、良かった。
よく、落語の究極のスタイルとして、高座で何も話さずニコニコ、或いは居眠り(かつての志ん生)でお客を満足させるのが目標と言ってた落語家さんが何人かいたらしいけど、
米朝さんは、すでにその域で有ります。
何か、ぼそっと言っても面白いし、同じ話を3回繰り返しても面白い(演出なのか、ボケてるのか、ボケを演出してるのか微妙でそれも面白い)
来年も来てほしいなんて言いません。
一日でも一回でも、お元気で機嫌良く高座に座って(話さなくても十分)ください。
トリは、桂ざこばさんの「藪入り」。
ちょっと、インターネットで検索したら最近、このネタ結構やってるようす。
私は、人情話が嫌いです。
特に、自身が涙もろい人の人情話は聞きたくない。
よって、桂ざこばさんの「藪入り」は、勘弁してほしかった。
それと、見台に肘をついて噺をするのも、気になったし、江戸落語と違う「下げ」も、良くなかった。(ざこばさんの新工夫か、上方の定番かは知らない。もっとも江戸落語の「オチ」も酷いけれど)
桂ざこばさんには、『枯れ』は似合わない。
パワーでガンガンやる噺が聞きたかった。