9月の読書メーター
読んだ本の数:6

読んだページ数:2803


天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)感想

初めて青春18きっぷを使って長い鈍行列車の旅をした。旅で良い本に出会うと上質な旅をしている気分になる。深夜0時に熊本県の宮地駅に到着してそのまま目的地の阿蘇山へ向かって歩きだした。燦然と輝く無数の星を見上げながら宇宙戦争をしている自分の姿を思い浮かべたが、どんなシナリオを選んでも結局最後は死んでしまう。まるで宇宙での死に方あれこれを探してるみたい。一番嫌な死に方は窒息だったので".酸素いらず"になりたいと思った。そんな妄想を楽しんでると阿蘇山の登山口仙酔峡に到着した。

読了日:09月01日 著者:小川 一水

天冥の標Ⅳ: 機械じかけの子息たち (ハヤカワ文庫JA)天冥の標Ⅳ: 機械じかけの子息たち (ハヤカワ文庫JA)感想
阿蘇山の噴火警戒レベルが2から1に引き下げられ入山規制が解除となり山頂付近の景色は一通り楽しめる状態になった。なかなかの急登だったけど2時間程で最高地点の高岳に到着すると黙々と白い蒸気を吐き出す活火山が一望できる雄大な溶岩ゾーンを歩いた。大阪近郊ではお目に掛かれない絶景に軽いショックを受けつつ目的の全ての頂に立った。で…更にショックだったのが帰りの電車で揺られながら読んだこの本だったりする。詳しいことは書けない。衝撃の問題作だった。好きな人は好きだと思うけど、"好きだ!"とは非常に言いにくい。
読了日:09月04日 著者:小川 一水

天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬(ひゃっきく)の銀河 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬(ひゃっきく)の銀河 (ハヤカワ文庫JA)感想
父と母に会う機会がほとんどなくなって何年経つんだろうか…年数を数えるのが怖い。そんな僕でも暑い夏が終わって稲穂がこうべを垂れる頃には両親の顔を思い浮かべる。そろそろ毎年恒例の稲刈りの季節がやってくる。その日だけは毎年に帰るようにしていて、父と母と弟そして僕の4人が揃う。半日で作業が終わってしまう程の小さな田んぼなので農機具の維持コストを考えるときっと赤字なんだろうけど一年に一度4人が揃う日を父と母は大切にしたいと思ってるのかもしれない。宇宙の農業の物語を読んでると近々訪れるその日が少し楽しみになってきた。
読了日:09月22日 著者:小川 一水

天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA)感想
リンゴ探しの旅か…2年前の夏に初めて北海道の大雪山を登ったときのことを思い出した。初のヒグマ生息地帯での本格縦走だったので裏旭キャンプ場で出会ったソロハイカー達と仲間になり熊鈴をチリチリ鳴らしながらゼブラ模様の雪渓が美しい壮大な景色の中を歩いた。危険ゾーンの手前で女性ハイカーが立ち止まった。「もしヒグマに襲われたらあれなので、最後にリンゴを食べませんか?」ザックからリンゴとナイフを取り出し、慣れた手つきで切り分けてくれた。凍らせてたそうでまだ冷たくめっちゃ甘い。そのリンゴの味は多分一生忘れないと思う。
読了日:09月22日 著者:小川 一水

天冥の標6 宿怨 PART 2 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標6 宿怨 PART 2 (ハヤカワ文庫JA)感想
うちの息子のクラスがコロナ感染のため学級閉鎖になったらしい。36人のうち1/3の12人が休むと学級閉鎖になるそうで、8月頃から入れ代わり立ち代わり感染して10人程度が休む学級閉鎖リーチ状態が続いてたらしく、現時点で33人が救世群で非染者はたったの3人しかいないのだ。非染者を守るというよりも単に授業を受ける人数が少ないから学級閉鎖になった理解した。このパンデミックが禍根を残し何百年か後にどえらい宿呪が発生するとは思えないが、今年受験を控えた息子がなぜか感染していない。肝心なタイミングで感染しないことを祈る。
読了日:09月22日 著者:小川 一水

天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)感想
長崎の婆ちゃんから着信「もしもしお婆ちゃん」暫く無言が続く「徹か?妙子さんちょっと代わってくれんね。」代わると「荷物届いたよ。ありがとうね。婆ちゃんに代わるね。」また代わり「元気にしとるね。年とるとね身体がいうこときかんもんでね。耳が全然聞こえんとよ。迷惑ばかりかけとるからはよ迎えに来て欲しいばってん…。」毎年このやりとりをしてる。耳が全く聞こえないのでボクが電話にでたこともわからない。それを確認するために一旦娘に代わるのが面白い。22歳で被曝し今年で99歳。22歳で見た長崎がこんな感じだったのかも。
読了日:09月23日 著者:小川一水

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