ここが層雲峡か…(@ ̄ρ ̄@)
やっと大雪山の麓に辿り着いたぞ。
青々とした山に囲まれたこの周辺には、ロッジ風の建造物が並んでて如何にも山の観光地っぽい街並みだ。
見上げると少しではあるが青空も見えてるじゃないか。
よし!!
あとは思う存分歩くだけだ。
大雪山の登り方には2つの方法がある。
自力で歩くのと文明の利器に頼る方法だ。
勿論、ボクは文明の利器にお世話になることにした。
これから気が遠くなるほど長い旅が待ってるのに、歩いてなんか登れない。
ということでロープウェイに乗り込むと黒岳の案内がアナウンスされる。
『黒岳は、北海道の中央高地とも呼ばれる大雪山の山の一つです。 その大雪山は、アイヌ語ではカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)と呼ばれてきました。峰々の間に広がる溶岩台地は 300 種類以上の 高山植物の群落に彩られ、その壮大な風景は、まさに「神々の遊ぶ庭」と呼ばれるにふさわしい雲上の楽園と言えるでしょう。』
一切労力をかけずに標高1,500mに辿り着いてしまたった。
ここは雲とほぼ同じ高さみたい。
11:00 黒岳石室
12:00 御鉢平
15:00 裏旭キャンプ指定地
むむむ…
なんかちょっとガスってきたぞ。
でも天気予報は晴れだったのでそのうちガスは消えるはず。
最悪だ…
少し待てば視界は開けるさ。
そう自分に言い聞かせてみたものの、風が強くなってきてブルっと肩が震えた。
仕方がない。
前に進むか…
この旅のスケジュールはというと、層雲峡をSTARTしてから旭岳、トムラウシ山、十勝岳を越えてGOALの十勝岳温泉までを6日間で歩く超ロングコース!
まぁ…
天候とか体力とか気持ちとか熊の出没状況なんかとの相談ではあるけど。
おおっ!!
晴れてきたか…!?
期待も束の間で、すっぽりと雲に包まれてしまった。
北海道の山には何度か登ったことがる。
初めて登ったのは支笏湖の畔にある樽前山と風不死岳の縦走で、ほんの小一時間で樽前山の山頂に辿り着くと、今にも噴火しそうな活火山の山容も凄かったけど、遠くに目を向けると苫小牧から室蘭へと続く海岸線がくっきりと見えて、その樽前山から海岸線までの殆どの面積が手付かずの大自然だってことに度肝を抜かれた。
因みに樽前山は標高1,000m程の低山なのにこのスケールって、本州では考えられない。
本当なら管理人さんが常駐している山小屋で、ビールとか飲み物販売とか寝袋レンタルとかのサービス提供があって一番賑わう場所なんだけど、今シーズンはコロナの影響で無人の避難小屋みたい。
たった1,000mの樽前山ですらこんなに凄いのなら、北海道で最も高い大雪山の景色はどれほどのものなのか!?
6日間も歩くのは初めてで、一番悩んだのが食料だったりする。
豪華にするか質素にするか…
昨年のGWに大峯奥駈道100kmを5日間で歩いた時は、絶対に踏破したかったので、質素に米と汁物と漬物の最低限の食料だけを持って歩いた。
でも今回は夢の大雪山なので興奮していたのだろう。
旭川駅直結のイオンで9,000円分の食料を買い込んでしまった。
もうめっちゃ重くてすぐに息が上がって休憩ばかりですこぶる進捗が悪い。
大雪山の中心部に近づくと青空が見えてきた。
というか、ここだけが晴れてて周りは雲に覆われたままになってる。
小高い丘を登ってみると…
めっちゃ凄いな…(*☻-☻*)
ここからの眺めは最高だ。
巨大なカルデラが目の前に広がる。
ボクが見たかった絶景はきっとこれなんだ。
そう思いながらこの景色を堪能していると、食事中の女子登山グループが声を掛けてきた。
女子達「どこまで行くんですか?」
のら「トムラウシまで…」
女子達「私達も先週トムラウシに行ってきたんです。あそこは本当に最高でした。」
のら「え…。これよりもですか!?」
女子達「勿論!トムラウシは楽園ですよ。楽しんできて下さいね。」
ここは神々が遊ぶ庭じゃないのか。
旭岳方面から来たハイカーに裏旭キャンプ指定地というと、皆が皆首を傾げる。
通りすがりのハイカー「あそこって泊まれるのかな。もの凄い雪渓でしたよ。それに自分が歩いた道では裏旭からの登りが1番キツかったです。気をつけて下さいね。」
この後に花に詳しい女性に出会って色々と教えてもらったので、花コレクションは後ほど。
14:00 間宮岳 標高2,185m
あと…
北海道といえばヒグマでしょう。
ボクの周りで最も口煩かったのが妻だったりする。
北海道に着いたら真っ先に熊スプレーを買い、付けれるだけの熊鈴をぶら下げて、同行者を探して大人数で歩かないと必ず熊にヤられてると思っていたみたい。
ただ…
確かに一人だと何かと心細いので、トムラウシ山方面に向かう仲間が欲しいところではある。
そんな仲間が集まる場所となると裏旭キャンプ指定地なんだろうな。
有り難いことに雪崩予防の為の石砦が作られてる。
その中にとりあえずテントを張ってみた。
むむむ…
もし雪崩が発生したらこの砦ではもたないと思うのだけど気のせいだろうか!?
軽アイゼンをつけて大雪渓に挑むことにした。
しかも滑り落ちると標高がリセットされる危険性も兼ねそろえているのがタチが悪い。
すると…
前方から水色のダウンジャケットに身を包んだ小柄な女の子が颯爽と降りてくる。
なんとなく広末涼子さんっぽい。
のら「ここめちっちゃ急ですね。」
広末「そうでもないですよ。あっ!テント張ったらまた登ってきます。山頂で待ってて下さいね。さっきガスってていい写真が撮れなくて。」
そう言い残すと、アイゼンも付けずにそのままスルスルと降りてってしまった。
今日歩いてきた道程がやっと見えてきた。
更に、筋肉隆々の大男2人がやってきた。
この日最後の登山者だ。
ケン「わははは。着いたぞ。」
ツヨシ「ふ〜!!」
この2人は実の兄弟らしい。
恐らくボクと同年代と思うけど兄弟で山登りをするってなんて仲がいいのだろう。羨ましい。
そうこう悩んでる間に日は暮れてマジックアワーがやってきた。
南にこれから向かう山々がやっと見えてきた。
手前がトムラウシ山で奥が十勝岳のはず。
遥か彼方だな…
ちゃんと辿り着けるんかな?
夕日を見たくない訳ではない。
でも雪渓に包まれた山なので吹き抜ける風がめっちゃ冷たくて体温が奪われる。
かと言って大雪山からの夕日なんてそう簡単に見れるものでもないし…
広末「わ〜!!チャンスです。夕日を摘んで下さい。」
のら「こうですか?」
広末「もっと下です。あと少し。そこでストップ!!」
カシャ!!!
で…
テントに戻った頃には完全に日は暮れてしまってた。
沈んだ太陽の残り日で、ずっと向こうの雲平線がくっきりと見える。
これもまた裏旭キャンプ指定地ならではの景色だ。
のら「旭川駅のイオンでジンギスカンを買い過ぎてしまった。一緒に食べませんか?」
広末「是非!」ちょっと北海道っぽい料理が食べたくてジンギスカンを買ってみたものの、正しい調理方法とか味付けがわからなくて我流だったけど、広末さんのアウトドアスパイスに助けられてなかなか美味しく焼き上がった。
そんな空の隅っこに長い尻尾をぶら下げた星も見えてたりする。
ケン「あれは何だ!?」
ツヨシ「隕石かもね。」
のら「もしかしてアルマゲドン!?」
広末「私は"きみの名は"の方が好き。」
次回、この場所からネオワイズ彗星が見れるとしたら8,700年後らしい。
斯くして、旭岳でこの日初めて出会った4人は数千年に一度の夜を大雪山で共に過ごしたのだった。





































