時間を元に戻しまして…
 
折角、福岡県まで行くんだから一泊二日の程よい縦走コースがいいかな。
更にテントを持っていくのが面倒だけど、シェラフだけなら担げそうなので、無人の山小屋に泊まれたら最高なんだけど…
それにできれば福岡市内から近くて、電車とバスを乗り継いでアクセスしやすい山がいい。
かといって山頂付近まで車で登れてしまうような山は嫌だ!
登山道はきちんと整備されていて道に迷うことがない方がいい。
 
ボクの理想はアラフォーの独身女性が結婚相手に求める条件と同じくらい高かったw
でもよくよく考えるとそんな理想の山は関西にはない。
なので福岡県にも無くて当たり前なんだろうけど…
 
『あった!!』
探し出してものの5分で見つかったw
その即決のコースが竈門神社、宝満山、三郡山、若杉山へと続く約20kmの縦走路!

14:00 START 竈門神社
鬱蒼と茂る樹木に囲まれた鳥居をくぐると、異空間に入ったような軽い錯覚状態になる。

 

ちゃんんと原生林が残ってて、その間を真っ直ぐと伸びる山道を進む感じ…

 

 

天候は薄っすらと雲がかかっていて、じっとしてたら肌寒いような登山には最適なコンディション。

更に体調も万全なんだけど…

 

この日はボクの頭の中がちょっと変になってたりする。

この空を見て…

 

あの雲は原子何個分なんだろう!?

ボクとあの雲は繋がっているんだろうか?

そんな意味不明なことが頭に浮かぶ。

 

そう…

僕はとある教祖様に洗脳されていたw

 

本当はキミスイを読みたかった。

だけど旅の直前に中之島図書館で受け取った本は中村文則さんの『教団X 』だった。

 

この物語に2人の教祖が登場する。

1人は性の快楽て信者を集める不気味で妖艶な教祖で、こういう話によくありがちなタイプ。

1人はなんだかよくわからないけど巧みな言葉で『ふ〜ん』と頷かせて信者を集めてしまう陽気な教祖で、掴み所のないタイプ。

 

ボクはその陽気な教祖に洗脳された…

 

といっても服を脱ぎ捨ててフルチンで踊り出すこともなく、すれ違う人にいちいち声を掛けて、『教祖の声をお聴き下さい。』と教団X をお勧めするわけではない。

 

 ただ、その教祖様の言葉が子供の頃に思った疑問を再燃させて、脳みそがジャックされてしまったそれだけ。

 

 16:00 宝満山 標高830m

 

山頂には宝満宮なる神社がありまして…

 

パンパンっと二回手を打つ。

『天文学的数の原子の集合体で、将来、必ず死ぬことだけが決まっているのらぞーです。ただ、原子レベルでいうと天文学的数の死と誕生を日々繰り返しております。言い換えると、日々、生き死にを繰り返しながら生きていて、いつか必ず死ぬことを知りながら、生き死にを繰り返している。これは一体なんなんでしょうか!?』

image

 

静まり帰った山頂の空に、一匹の紋白蝶が風に煽られながら舞い上がった!?

 

なんで蝶は飛んだ?

 

 う〜なんか頭が変だ…

こんなに静かで緑が溢れ、マイナスイオンに包まれているはずなのに、頭の中だけがカオスだ…

 

おっ!

早いっ!

なんか急に到着した気がする。

 

16:20 宝満山避難小屋

 

ガラガラと扉を開ける。

やはり…

 

誰もいなくて貸切だった。

夕飯は明太パンとホルモン焼きだ!
どっちもフライパンで炙って塩胡椒を振って出来上がり。
この一切れのホルモンですから、細胞の塊でその細胞の1つ1つが生きてるから美味しいと感じるのでは?
そんな気がしてきた。
 
カリカリに焼いてみた。
食べてみると…
 
美味かばい!(((o(*゚▽゚*)o)))
嘘か本当か怪しいけどパンが誕生したのは紀元前一万年前らしい。
そして明太が誕生したのは1949年なんだとか…
 
そう1,1949年の時を超えて巡りあったパンと明太子が不味いわけがないじゃないか。

食べ終わるとすることがなくなった。
山小屋に一人…
外は真っ暗…
でも本当はすることが一つある。
それは『教団X 』の続きを読むこと。
ヘッドライトで本を照らす…
 
そして教祖様の言葉を再び読み返す。