＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊　エイジ新聞・２０２３年８月号　＊

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

　先週末は博多で開催された母校福岡県立小倉高等学校の同窓会で演奏してきました。今年は僕の同期（1986年卒）が幹事で、コロナで中断してしまった同窓会の再開＝果たして参加者は集まるのか？という難しいタイミングでの当番となりました。著名人の記念講演など様々に趣向を凝らして制作していく中で、これまでの同窓会とはひと味違うものにしたいということで同期の仲間が選んだアイテムが「谷口の生演奏」でした。「谷口が演奏してくれたら会はぜったいに成功する！」と。

　さて当日、蓋を開けてみると歴代最高ではないかという250名を超える大宴会となり、まあそうなるとなかなか演奏を聴くどころではなくなるわけですが、ステージのラストに今回のために特別に書き下ろした渾身の「小倉高校校歌コンテンポラリー・ジャズ・バージョン（BLUE GIANT風）」を叩きつけ、参加者全員の目をステージに釘付けにし万雷の拍手を巻き起こし、なんとか期待に応えることができたのかな…と胸をなでおろしているところです。

　同期の仲間たちは必ずしもジャズに詳しい連中ばかりではないのでしょうが、生演奏が入ることについて「ぜったいそれいいよね」という価値観を持っているような気がします。僕らが青春を送った四十年前は、音楽の情報を手にすることが今ほどたやすくなく、だからこそ貴重であり崇高であり、誰もが様々な音楽に対して貪欲だったと思います。変な言い方ですが、人々は今よりも純粋に「音楽」が好きだったんじゃないかな。

　会のクライマックスとなる校歌斉唱の伴奏もぜひバンドの生演奏でやらせてくれと申し出ました。応援団OBの「校歌～三番まで～。声、高らかに～。」のかけ声に阿吽の呼吸でイントロを重ねていく僕…全てはここからスタートしたのだもの。みんなありがとう。

サポートしてくれた福岡の名手たち、渡邉大樹(p)，白石由紀(b)，安部智之(ds)

7月26日　谷口英治

コンデ氏の形見のセルマーを吹きます +｡♪｡+ﾟ☆ﾟ+｡♪

朝日カルチャーセンター立川教室のシリーズ『ジャズのいろいろ、ジャズはいろいろ』第五弾は「今こそ語りたい日本のジャズクラリネットのあれこれ」と題して、日本のジャズクラリネットの歴史を築いてきたレジェンド達についてのとっておきのエピソードをご披露しつつ、思い出のナンバーを演奏します。part 1の今回はレイモンド・コンデ氏と鈴木章治氏を特集。共演がかなわなかった鈴木氏ですが実は意外な接点が。そしてコンデ氏の遺品のセルマーを披露。