未来の彼女のために失敗を重ねる男 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

チャイニーズガールとは色んな場所に2人で出掛けた。



その度にチャイニーズガールから言われたのは「お前これで彼女が出来たら連れて行ってあげられるネー」と。




僕は42歳になるが過去に付き合った元カノは1人だけ(10年以上の付き合い)ということもあり、その元カノの行動範囲以外の遊びには知識も経験も全くないのである。




その上、元カノからは極度の束縛をされていたのもあり、本来ならば男友達と遊びに行くであろう場所もほとんど知らないまま友人たちとはそのまま疎遠になった。




仕事も忙しく日々が過ぎて、まぁそれは言い訳だと言うこともチャイニーズガールから教わった。




日本に生まれて日本に住んでいて日本語が話せるのに日本の楽しい所や日本の美味しい物を僕はほとんど知らなかった。




チャイニーズガールからは「知らない知らないって、お前、本当に日本人なの?」と驚かれた。




しゃぶしゃぶ食べ放題の「しゃぶ葉(よう)」を僕は「しゃぶ葉(ば)」と読んで「違う、しゃぶ葉(よう)だよ!アホ!!」と教わった。




中国人の女の子に案内されている日本人のおっさんという構図によくなった。




ワッフルの作り方も教わった。




スポッチャに行った時も僕はビリヤードが初めてで、そのルールもチャイニーズガールから教わったのだ。




本来ならば20代の頃に男友達と遊ぶと思うが、その期間は束縛されていたので僕にはそのような遊びの経験値がなかった。




最初は玉を転がすことさえ難しかった。





なんか、気が付いたら自分が変な日本人という仕上がりになっていたのである(笑)




そんな僕が初めて【お店の予約】をしたのである。




チャイニーズガールが豊洲にあるチームラボの施設に僕を連れて行ってあげたいと言うのだ。





チャイニーズガールは過去に友達とそこへ行ったことがあるのだが、もう一度行きたいと。





凄く綺麗で一生の思い出になるから行った方がいいと。




僕は初めてネットでチケットを予約した。




こんなにもスムーズにチケットが予約出来ることに僕は喜んだ。




チームラボは午後の3時からで予約をしたので、その前の昼食を何を食べようか考えた。




たまたまTik Tokを見ていると「しゃぶ葉」で蟹の食べ放題が始まったという動画を見付けた。





そのTik Tokの動画をチャイニーズガールに送って、明日のお昼は「しゃぶ葉」で蟹の食べ放題にしようと提案した。





チャイニーズガールはメチャクチャ喜んで僕の意見に賛成してくれた。




そこで僕は「しゃぶ葉」の予約をすることにした。




チャイニーズガールには「お店の予約しておくね」とカッコう付けた。





何を隠そう僕は飲食店の予約はこの時が初めてだった。




ただ、しゃぶ葉には行ったことがある。




大丈夫、豊洲のチームラボに行くから、つまり、豊洲にあるしゃぶ葉を調べて予約をすればいいのだ。




「豊洲、しゃぶ葉」で検索した。




トップに出てきた「しゃぶ葉」は豊洲の駅からも近かった。




この辺りは昔仕事で通ったので土地勘もある。




「しゃぶ葉」の豊洲店のメニューを確認した。





Tik Tokで見た蟹食べ放題が写真にあるメニューに反映されてなかったので、もしかしてどこかの店舗限定なのか?とヒヤリとした。




録画したTik Tokを見返すとしゃぶ葉の蟹食べ放題は全国の店舗で始まっていると、豊洲店のホームページの更新が遅れてるだけだとひと安心、ただ数量限定なので蟹が無くなり次第終了とのこと。




なるほど、予約するなら朝イチ狙いだなと。




11:30の開店時間に2人で予約をした。




そのことを誉めて貰いたくてチャイニーズガールに予約したことを伝えた。




カッコいいと誉めてくれた。




こんな当たり前のことが自分にとっては高度なミッションを成し遂げたような嬉しさがあった。




この歳になって遠足の前日のような気持ちで眠った。




翌日。




豊洲に「しゃぶ葉」は無かった。




そこに、あったのは「しゃぶしゃぶ温野菜」という謎の店。




ふざけるな!!



Googleの検索エンジン、お前マジでナメんなよ!!




豊洲のしゃぶしゃぶ温野菜で朝イチから2人で予約しないだろ!!




チャイニーズガールからは「カッコ悪い~」と言われた。




僕は初めて予約のキャンセルを経験した。