先輩の話 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

独立して個人事業主になったものの人生迷子になってしまった僕にとっては独立後に会社を経営して軌道に乗っている先輩から学ぶこともあった。




職人はプレイヤーなので経営という数字が正解みたいなマネジメントのことは正直よくわからない。




どんなに儲けていても今のビッグモーターみたいな数字はダサいと感じる。




ネットで自分のエロ動画を販売してるお姉ちゃんの方が悪くないと思う。




独立する前の先輩とは一緒に仕事をしていたが、社長の甥っ子という形で途中から入って来たのと先輩は絵に書いたようにチャラい雰囲気なので僕としては苦手なタイプだった。




ただ、先輩との親近感というか共通点はお互いにボウリングが超ヘタクソということ。




社員旅行のイベントでボウリングをやるわけで、そりゃボウリングブーム世代からのマウントを取られるわけですよ。




仕事以外でも技術的なジャンルで負けるというのは

職人としては恥ずかしいからね。




仕事も遊びも一流に憧れる男の子の世界では厳しいもんがあるので、先輩がヘタクソなのには救われたのだ。




単純にお互いに独身なので家族でボウリング行くとかないので毎年1年ぶりに投げるから下手だと思う。




とはいえ、先輩とはプライベートで遊んだりとかは一切なかったし、むしろ先輩からは「オレのこと避けてますよね?」と面と向かって言われたぐらいである。




先輩は男から見てもイケメンなので、イケメンでチャラい男というのが単純に苦手だったのかもしれない。




先輩は流行りものが大好きなので最新のiPhoneを2台持ちしたり、電子タバコのアイコスも新作を常に持ち歩いていた。




その隣で僕はガラケーで紙タバコを吸っていたのだ。




僕がどうかしていた時期というのもあるが、先輩からしても僕は謎だったと思う。




僕が当時付き合っていた彼女から極度の束縛をされていたのもある。




10年以上付き合っていたので嘘が付けないという環境だったのだ。




そこら辺も関西生まれで話を盛る先輩とは真逆だった。




元カノと別れてからは過去の意味の無さを初めて知った。




42歳で独身という現実しかない。




元カノは1人だけという話を言ったところで何の意味もないのだ。




田舎という閉ざされたコミュニティの中でなら証言者もいて成立するが都会での過去はゼロであり、今現在が全てになる。




何より全てを説明するのは無理なのだ。




ただ、独身という何かしらの努力を怠った者として判定されることを受け入れるしかない。




話が逸れた。





先輩はイケメンでチャラいが仕事ぶりはポンコツだったのだ。




他の先輩からの評価としては協調性がないと。




組織的な暗黙のルール上での協調性が先輩にはなかったのだ。




そんな先輩が独立して、なぜか会社を3つも立ち上げて2800万のベンツのゲレンデに乗っているのである。





節税対策で価値の下がらない高級車を会社の経費で買うというのは聞いたことはある。




左ハンドルの助手席に座り、運転する先輩からベンツのクラスについて説明されたが、僕は車に興味がないのでその凄さがわからなかった。




というか、前にも似たようなことがあったのを思い出した。




その時は人妻の運転するベンツの助手席に僕は座っていたのだ。




移動する為の機械としての価値をどうこう考える以前に僕はお金が無くて5時間歩いて帰宅するようなどうかしている者だったのでリアクションの正解がわからなかった。




ただ、ベンツのゲレンデは形がカッコいいのはわかった。




それと今の僕には手に入らないという距離感が鮮明ではないということ。




何かしらの目標を定めることで、そこに辿り着くまでにやるべきことが明確になるような。




人生の経験値として知らないことが多いことも自分の弱点だとは理解している。




職場で後輩からの質問に仕事以外のことは答えられないのだ。




元カノからの束縛期間と仕事に明け暮れた期間での経験値が自分という人間と一致していないみたいな感覚がある。




束縛ブレーキと貧乏ブレーキでどうかしているのだと思う。




ディズニーランド、プレゼント、バーベキュー、結婚式、子育て、全くわからない。




お酒も飲めないので、お酒にまつわる会話というのも入れない。




美味しいお店も知らない。




何が厄介かと言うと、僕は凄いお酒が飲めそうに見えるタイプなのだ。




そう、少し前に人生で初めてバーに行ったのだ。




このときの緊張感もお酒が普通に飲める人からすれば伝わらないと思う。



ここで何を注文するのが正解なのかもわからないからね。




もちろん僕が自分から好んでバーに行ったわけじゃなく、女の子から助けを求められて巻き込まれる形のパターンのやつです。




これも宮崎駿のせいですよね(笑)




空から落下してきたシータをスルーして見捨てることが地に足を付けて生きることなんですよ。



最弱の男をバーに呼んだらダメなんです。




話が逸れたので今回はこの辺で。