友達と俺が根本的に違うのが男と女という性別なのだ。
友達とは同い年なので男同士のような世代感覚にもなれるのだけど、テーマが“男の人の夢”に対する疑問や質問になった場合には俺が男を代表した答えを出さなければならないのである。
友達には年上の兄貴が二人いるがそれは兄と妹になるので友達とは性別の違う男であり、友達の父親や旦那も男なのだ。
ちなみに友達の兄貴2人も父親も旦那も全員がバツイチである。
結婚するという夢は叶えたが、結婚生活や生涯を共に添い遂げるという夢は破れたことになる。
僕の、基本姿勢としては子供が成人するまでは別れないという親心には賛成派ですし、自分が独身なので家族を背負う重さを体験してないので、人間の人生を背負う責任感に対して何も言えない。
男の夢とは難しい。
なぜなら、僕は男で、友達の言う、男の人の夢とは、それは俺の夢でもあるからだ。
いくら男の本音をぶっちゃけて喋る俺でも、これは言ってもいいのか迷うのだ。
夢と書かれた引き出しを開けてみたのだが、その中身が空っぽだったのだ。
タイムマシーンと引き出しが繋がっていないのである。
あれ!?
Σ(゚□゚;)
確かにあの頃の未来に僕らは立っているのだけれど、女の子の瞳をずっと輝きさせ続けることは難しいのだ。
大変なのだ。
男の人の夢って言うけれど、それはドリームとしてのくくりがデカイのだ。
そりゃね、夢に向かって一緒に応援してくれたり支えてくれる女の人が側にいたら速度が加速するのは分かるよ。
それとは真逆でドリームキラーとなる女の人もいるわけですね。
友達からすると、旦那が自分の店を持ったけど売り上げがあまり良くないと。
それなら出店する場所を変えたりすればいいと思うんだけどな…と。
んー、友達の言ってることは分からなくもない。
それをアドバイスとして旦那に言うことが正しいのかどうかは本人の性格にもよる。
ジャッジするのは店に来る客であり、店の売上という数字がその結果になる。
建設業の仕事をしていると最後まで現場に残った場合には、オープン待機という現場に立ち会うことになる。
何かしらの不具合が出た場合に備えてバックヤードで待機をするわけだが、それは客商売の裏側でもある。
改修工事というのもあって、それは手直しである。
何かしらの理由があって、何かしらの変更をするわけである。
デパートやホテルや病院やオフィス、それぞれにそれぞれの空間がある。
そこで働く全ての人達が夢の中で生きてるとは限らない。
GW中にも仕事があったのだが、華やかな業界のオフィスには胡蝶蘭がいくつも並んでいた。
4月の人事異動か昇進の祝い花だと思うが、少しだけ枯れてきていた。
僕らの仕事には関わりはないので、先輩に花の名前を聞いてみると英語で答えた。
英語なのかも分からないが、その先輩が言ったカタカナの名前すらも忘れてしまったが、なぜ先輩がそんなことを知っているのか驚いた。
絶対に必要のない知識である。
その理由を聞くと、馬の名前と答えた。
G1馬だと。
10年くらい前だけど、武豊が乗ってたから覚えてると。
その馬の名前が日本語では胡蝶蘭なのである。
万馬券も男の人の夢である。
仮想通貨をやってる先輩は自分のウォレット(財布みたいなことらしい)に115万が入金されてると困っていた。
間違って送金することは“仮想通貨あるある”らしく、それは履歴が残ってるから問題はなく、それだけにしらばっくれて使うことも出来ないと。
調べてみるとビットコインが分裂した時の配当らしく、それだけで先輩は115万を手にしたことになる。
もちろんその先輩は会社に退職届を提出しているが暇な時は現場にくるのである。
このように、男の人の夢は片手で、指先を動かすだけで叶う時代でもある。
職人ウケという同じ業界だけに通じる笑い話があるとして、その価値観や本質は30代から60代までは変わらないのだけど、そこにお金が絡むと知識や認識の違いで30代から40代は笑えないことも多くなってきた。
生かさず殺さずの仕組みには良い面と悪い面があったのだが、さすがにその古い体質が機能しなくなってきているのだ。
枯れた胡蝶蘭が飾られているのは圧倒的な権力者との繋がりを社内でアピールすることが目的ではあると思うが、その立場関係もこの先どうなるかわからない。
スロットが繁栄していた時代にはプロがいた。
毎日スロットを打って生活している人達である。
なぜそんなことが可能かと言うと、平日にもスロットが打てるからである。
情報収集や生活サイクル、全ての時間をスロットに使えるからだ。
もちろん胴元が儲かっているから成り立つことでもあった。
これが現在だと仮想通貨の投資として会話の中に入り込んでいる。
仕事を覚える為の時間と仮想通貨の情報を収集する時間が天秤になる。
もちろんスロット全盛期には仕事を休んで確実に勝ちに行く人もいたし、今でも仕事を休んで仮想通貨のセミナーに通ってる人もいる。
ただ、スロットの時は将来的には真面目にコツコツ働いた方が得だなと全員がわかっていたし、プロも稼げる時に稼ぐしかないと、その王道と邪道の棲み分けがちゃんとしていたと思う。
友達の旦那のような裏社会に棲む人間も必要悪のような社会的な機能が働かなくなってきたのもある。
悲しいくらいに本人の努力次第で差の出る時代になったのである。
そういう意味なら俺は犬かもしれない。
盲導犬のような存在かもしれない。
教育されたように導くことが正しい行き先とは限らないし、テクノロジーによってその役目や存在価値すら失うかもしれない。
夢ってなんなんだろ?と。
才能がなければなれない夢もある。
友達と俺は同い年なので松坂世代でもある。
同い年で夢を叶えた存在がまだ頑張って挑戦を続けている。
最近のスポーツでは高校生でも世界レベルの活躍をしている。
友達は自分が高校生の頃は何やってたんだろ?って思う、と俺の意見に合わせてくれていた。
友達は3才からバレエを習っていたので、それが母親からの期待とはいえ10年以上も努力を続けたわけで、それは夢を追う側の世界を知っているのだ。
もちろん友達の旦那も中学から裏社会で生きてきたのだから夢追い人ではある。
一定の価値観や基準を持っている場合には世界観が違っても波長のようなものは同じになる。
友達にしても俺にしても、なんかよくわかんないけど、なんかよくわかんない頑張り方をしてるよね?という部分ではお互いに似ているから成立してると思う。
浮気とか不倫とかじゃなく理解者というかね。
友達とは何回も喧嘩してるわけだけど、それはそれでという話でね。
男の人の夢ってなんなんだろう?って言われてもさ。
女は現実的ってのはわかるのよ。
出産には年齢という制限があるからだと思う。
結婚して出産することが女の子の幸せで、それが女の夢ですよってインプットされてるからね。
そこからの逆算なら女が現実的になるのもわかる。
それに男が寄せに行くのもわかる。
わかる、わかる、わかる。
それで結婚するのもわかるし、離婚するのもわかる。
お互いに認識のズレはある。
だけど、友達はちょっと違う。
結婚はしたけど旦那の子供は欲しくないと。
責任が持てないという責任感なのかもしれないけど。
どんな環境でも適応して生きていける男になることが必要だと思う。
とはいえ、これが大変なのだ。
なんかよくわかんないけど、なんかよくわかんない頑張り方ってのは大変なのだ。
夢ってなんだ?
マネーの虎に出ていた社長たちの大半は破産しているらしい。
先のことはどうなるかはわからない。
旦那は金でノウハウを買ったが大事なのはそこじゃないと思う。
店の看板や内装やメニューにこだわったり、オリジナルのTシャツを着たり、夢の為にそれなりの嘘をついて世界観を作り上げても、作り笑顔だけはバレてしまうのだ。
ホテルを経営する社長が新米の支配人にフロントの裏で教えていたのは、神棚に向かって神頼みをする時の手順である。
最後はこれだと。
神様にお願いする以外のことは全てやったということにもなる。
同じ金額で同じ味の店なら、奥さんが笑っている店に人は集まる。
友達は店のコメントに美人と書かれたから、それで客が増えるならと化粧の時間が長くなり、それを旦那から指摘されたと笑っていたが、美人よりも愛想が大事だと思う。
男の人の夢と言われたら、旦那のことを否定することも肯定することも出来ない。
旦那が女遊びや薬に逃げることに関しても同じ男からすれば、嫁がいるだけで独身の男よりもサポートしてくれる協力者がいるのに、なぜ現実から逃げるのかなと思う。
それを友達に言うと、友達は誤解をするのだ。
私が悪いわけ?(ガチのトーン)
日頃から旦那に、お前が悪いと言われ続けているから言葉の受け止め方がズレているのだと思う。
旦那の手口は嫁を職場である自分の店に出すことで、それを言い訳に使っているわけでね。
男が仕事をしてる最中は、独身だろうと、結婚してようと、嫁がやらせてくれなかろうと、そんなことは一切関係ないのだ。
これが犬なら当たり前の景色なのだが、どうやらまともな犬が友達の近所にはいないみたいだ。
嫁や彼女を言い訳に使えるのなら、なんかよくわからないけど、なんかよくわからない頑張り方、など俺はしていない。
1から説明するのが大変だからだ。
女に夢を語れる男は確かにカッコいいけど、なかなか現実的には難しい。