どん底の優しさ3 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

そんな感じで、一緒に仕事をやって苦楽を共にする中で今の社長とは親しくなっていたんだよね。


苦楽というか、いや、楽はなかったな(笑)



それか“苦を楽しむ”って意味なら苦楽かもしれないね。



そうこうしてたら社長の金を持ち逃げした犯人がで捕まったらしく、すぐに帰国することになったのよ。



「お金が戻ってきたら、みんなで大きなパーティーやりましょう!!」



そう言って社長は現場を去った。



残ったメンバーでそこの現場を終わらせて、僕らは次の現場に行くことになった。



給料は3ヶ月も支払われなかった。



残業代も交通費も自腹で現場に向かい仕事をしていた。



ここまで自己犠牲で仕事をやっていると裏社会も表社会も関係なくなってくるのだ。



さすがに飯は食わなきゃボランティア精神でも仕事は続けられないからね。



プロフェッショナルのボスに電話で給料の確認をしても“俺も困ってる”とか言うわけよ。



“俺がどれだけ苦しんでるかわかるか?”って言ってくるわけ。



そういうことじゃないんだ。



苦しんでる状況でも、ミルクティーの1杯すら自分の足で現場に持ってくることも出来ないくせに何がボスなんだよ。



お前が事務所でいくら苦しもうが現場の仕事は進まない。



“俺の苦しみ”を理解しろってクソの役にも立たないからさ。



これには僕も電話でキレてしまって、喧嘩になりました。



プロフェッショナルから「てめぇ、満月満月!!いつからそんな偉くなったんだ!!今すぐ事務所こい!!」ってドスの効いた声で叫ばれたけど、行くわけないじゃん。



筋が通ってるのは完全にこっちだからさ。



事務所に行って最悪は殺される訳で、それは飯が食えなくても結果は同じ訳でさ。



仕事をする為に僕は死ねないわけだよ。



社畜の向こう側は死兵というか狂人だからさ。



この時に思ったのは現場で仕事をするだけなら経営者って誰がやってもいいし、いらねえなって感覚だよね。



会社が給料を払わないのに仕事すると物事の本質が見えてくるからさ。