【誰がジャッジをするのか?】
これが世界の理(ことわり)であると、そう断言しても過言ではないと私は考える。
来月で2才になる甥っ子の誕生日に、私は、ちゃんとした叔父さんとして、彼に何をプレゼントしたらいいのだろうか?
2才の甥っ子が喜ぶものとは一体何だろうか?
ジャッジをするのは誰なのか?
甥っ子にはまだ物心がついてないと思う。
まだ誕生日プレゼントの意味もわからないだろう。
甥っ子が喜ぶものが正解なら甘い食べ物でも与えればよい。
しかし、これには父親である兄貴が怒る。
幼児期の脳に砂糖はよろしくないらしい。
これでは誕生日の雰囲気が台無しになってしまう。
つまり、ジャッジをするのは甥っ子ではない。
残りは兄貴と兄嫁のリアクションが全てだと推測出来る。
甥っ子の父親である兄貴とは、叔父さんである私とは当然ながら兄弟なので、兄貴のリアクションは予想がつく。
幼い頃から弟の私と一緒に過ごしてきた兄貴の視点からすれば、我が子の為に弟が叔父さんとしてプレゼントを選んでくれたことだけでも喜んでくれるだろう。
そこには我々兄弟の物語も感動として加算されることになるからである。
問題は兄嫁である。
アホみたいな喋り方をする義理の姉である。
(年齢は私の4つも下になるのだがね)
兄嫁からしたら私と兄の立場であるとか兄弟の物語など甥っ子のプレゼントに加算されることはない。
アホみたいな喋り方なのだが、3姉妹の末っ子なので声帯のボリューム調整というものがない。
体も大きいのだが声も大きいのだ。
私も実家では末っ子だったので家族の中でのスターの座とは長年私のものだった。
そこに兄嫁という私と同じ末っ子キャラのライバルが現れたのである。
私は末っ子として兄嫁に敗北したのである。
姉2人から可愛い養分を吸収して育った末っ子の怪物には勝てなかった。
そのせいか姉の2人は幸薄な感じなのだ。
兄嫁は帰省する度にそのサイズが大きくなってきているように思う。
最近ではトトロに出てくるネコバスのようにも見えてきた。
兄貴の嫁さんなので異性としては意識しないで自然と身内であるという感覚なのは不思議なものだ。
何故かと言うと、胸元の空いた格好の女性であれば男としてその空間や谷間に反応するのだが、兄嫁に対しては全くそれがないので感覚として身内なんだと自覚したのである。
問題は兄嫁のリアクションが読めないことだ。
義理の姉なのだが末っ子感が抜けてないのである。
私も子供の頃には弟か妹が欲しいと願ったこともあったのだが、兄嫁を見る限り私には妹がいなくて良かったな思った。
妹というのは思ったことをそのままストレートに口にする生き物なのである。
こっちは兄貴との兄弟としての世界観があるから困るのだ。
私が最も恐れているパターンがある。
それは、私が甥っ子にあげたプレゼントを兄貴がその中身を確かめるべく開封したその直後に、兄貴のリアクションよりも兄嫁がコンマ何秒かの速さで“えぇぇェェェーっ!?”とアホみたいな声で叫ぶ場面である。
誰がジャッジするのか?
そう、甥っ子の誕生日プレゼントとは、兄嫁を喜ばせる必要があるのだ。
まだ何一つ問題が解決していない。