クリスチャンは今日が最終日だった。
色々とあったけど仕事だけが人生ではないからね。
君が言うように僕は聞き上手だからさ、困ったことがあったらいつでも相談に乗るから……みたいなことを言う場面が当然やってくるだろうと思っていた。
な、なのにだ、彼は、僕に別れの挨拶も何もなしにとっとと先に帰りやがったのだ。
Σ(゚□゚;)アーメン!?
あれかな?ぼ、僕がラインをやってないから悪いのかな(^^;)
今の時代はみんなそうしてるのかな?あはは…
作業車を運転して壁にぶつけた時には“勝手に動いた”と言ってたやつが、会社を辞める最終日には挨拶もなしに本人が“勝手に帰った”って嘘だろ!?
給料とか仕事内容とか人間関係とか色々と不満があるのかもしれないけどさ。
仮に、すげー人間関係も良好な職場があったとするよ。
毎週末は職場のみんなでバーベキューでもやるようなさ。
僕はそんな会社は絶対に嫌だけど(笑)
まぁ女の子がいる職場だとしてね。
それでも何かしらセクハラで訴えられるから一言も喋れないよ(笑)
男だけの職場で10年も過ごしたらスマートな会話が出来ない体になってるからね。
僕のことはどうでもいいんだよ。
人間関係が良好な職場で、給料も100万貰える仕事があったとするよ。
そういう仕事があったとしても、彼には任せられないわけじゃん。
え?いつの間に帰ったの!?って心配になるわけよ。
そんなの昭和の大スターにしか許されない行為でしょ。
宗教と仕事ってのを一緒に考えるとダメなんだろうけどさ。
思想は自由だけど納税の義務はあるわけだ。
これも宗教法人とかなるとややこしくなるな。
だからエデンみたいな楽園が本当にあるとしたら、それは宗教のお布施で生活する運営側に回ることが目標なんだと思う。
その為に何人勧誘するかでランクが上がって、つまり、信者が増えればお布施の金額が増える、つまり、組織の収益も上がるわけだ。
別に本人たちがそれで幸せなら、誰にも迷惑さえかけないなら何をしたって構わない。
そこはエンターテイメントと同じ仕組みだと思うのよ。
彼とは休憩中にキリスト教についての話をしたこともある。
ヘラブナだかヘブラヒモビッチだかヘブライ語だったのか?そういう歴史についても聞いたこともある。
過去の話を彼から聞いて、僕が宇宙やAIについてもっと未来の話をすると、彼はかなり食い付いて聞いていた。
非科学的だとされた哲学や思想もAIを地球サイズから宇宙サイズへと次元を拡張すると、もしかするとAIがそれを立証するかもしれないと。
こういうワクワクした話はいつの時代だろうとみんな好きだと思う。
科学によって否定されたものが、再び科学によって証明される流れにはロマンがある。
こういう彼が知らない話をするから勧誘されなかったのかもしれない。
イケメンはキリスト教の知識をクリスチャンに披露したら電話番号を聞かれたそうだ。
そしてクリスチャンからラインで何やら怪しげな文言が送られてきたと。
これも僕がガラケーだから勧誘されなかったのかしら?
(>_<。)
何より驚いたのは、クリスチャンがうちの会社にやってきた経緯だった。
宣教活動でたまたま訪れた家に住んでた80才の爺さんと親しくなって、それで仕事を紹介してもらったそうだ。
その80才の爺さんと言うのが、僕がこのクソみたいな建設業界に足を踏み入れて最初に入った会社(というかヤクザの会社だった)で番頭だったのだ。
あのジジイがまだ生きてることにも驚いた。
パワハラで元請けを訴える流れも誰かが裏でクリスチャンを操っている可能性もなくはない。
爺さんはカタギだが、その周りにいる連中ならやりかねない。
給料の未払金である百万はとっくに時効になって泣き寝入りしたが、爺さんが生きてるうちに会って何かしらを回収しなくてはいけない。
ちなみにこの爺さんは片目が義眼なのである。
コンタクトレンズみたいな義眼を入れているのだが、それが仕事中に外れたりするのだ。
「あれ?目ぇ取れたわ、わしの目ぇ落ちてないか?」
仕事中にジジイの目玉を探すって鬼太郎じゃないんだからね。
アーメン。