今月で1年半ちょっと通った小2女子が退会しました。

私の方が促したような部分もあります。

最初に習いに来た理由として「本人がやりたいと言った事」、ご両親も昔、部活や趣味でクラリネットやギターをされていたので、何か楽器を1つさせたいな、という事と、子供があまり思った事を主張したり出来ない性格で、何か頑張って努力する事を覚えたり、頑張って達成感などを味わって自信を付けられたら、というようなお話で親御さんも一緒に勉強する気でいらっしゃいました。

あまり飲み込みは良い子ではなかったですが、飲み込みや要領なんてとっかかりや上っ面の事で重要ではないので、そういった進みが遅いというような事で私は苛ついたり怒ったりする事はありません。

が、しかし、ヴァイオリンは最初は時間かかるにしても、あまりに遅々として進まない💦

というより、普通は半年くらいしてようやく進み始めるという頃から、なぜか更に教えた事が全く染み込んでいかない、浸透していかない、ツルリとはじいて滑り落ちてしまうような感覚。
「受け身」どころか受け取る責任からも逃れたいみたいな逃げ腰な感じに私もレッスン以外の時間も「どうしたものか😔?」と、段々いつもいつもその子の事で頭が一杯になっていました。

親御さんも少ない時間ではあっても毎日練習みているというし嘘ではないのはわかる。

たまに、親御さんがしっかりしていると本人が親任せになってしまって自分で何も把握しない能動的にならないパターンもあるので、1人でレッスン受けさせたり、まぁ、あの手この手こちらも考えて試してみましたが、どれもうまくいかず。宿題だって他の子の5分の1、もはや出してる意味がないほどだけれどそれも弾けない弾かない。

毎日なんて練習しない子だって、うちに来た時だけ1時間弾くだけだってもう少し弾けるようになるわぃ💣️

何より、レッスンに来てだんまりして何も弾かない、何か聞いても答えない。
「さぁどうぞ」でも「こうやって」でも動かない、という風になっているのが困る。
かと言って反抗的というのではなくオドオドしてフリーズするだけ。
何も話さないけれどとても人目や人の顔色伺うところが以前から気になっていた。

普通の教室なら時間きっちりでしょうが、私の場合、結構タスク型レッスンなので1時間でも2時間でも立ったまま無言の時間、練習みて付き添いのお父様などは居たたまれない気持ちであったに違いありません。

そういうのが重なるとレッスンに来た時からもう空気が重く悪くなるし、こちらも「またか?」と身構えてしまう。

1ヶ月以上こんな感じでレッスンにならない事が続き、3段の簡単な音階を1回弾くのに1時間半かかりギュルギュル訳わからない音を出していた時、ずっと観察してたら、音を出す時、弦を弓で擦る時、その子は、口がギザギザに😖(←こんな)になっていた。
そしていつも解放弦を弾く時も楽器を顎で挟むのに、習って1年半経ってもしっくりこないとばかりに構えるのに10分くらい時間かかってガクガクしている。

そうか、この子は気持ちとしてヴァイオリンや練習が嫌とかではなく、擦って音を出すヴァイオリンの音が生理的に嫌なのではないか?

と思った😓

レッスンでもお家でもヴァイオリン以外の事でも、反抗的な態度を取るでもなく嫌だとか口答えする事もなく、何か自分の気持ちを本音を言う事がないのでお母様も悩まれているそうで。

一度、長時間になった時、私の母(困った時の子供好き肝っ玉婆ちゃんw)が、レッスン室に来て、

「○○ちゃん、ヴァイオリンやってみたいって言ったけど、難しくて嫌になっちゃった?」

「お父さんもお母さんも○○ちゃんの為に一生懸命やってくれてるから言えなくなっちゃった?」

「ヴァイオリンやりたくないって言ったってお父さんもお母さんも先生も怒ったりしないんだよ?ヴァイオリンなんて弾けない人の方が多いし弾けなくても全然困らないでしょ?」

と優しく言ったら、無言でポロポロ涙を溢してました。

これが答えでしょう。

なので、お母様に「○○ちゃんは飲み込みや進みが悪いとか能力的な問題ではなくヴァイオリンが嫌いそうに見えます。一度よく話しあった方が良いと思います」

と連絡し、最初は「出来が悪く申し訳ありません。先生のご迷惑になるなら辞める事も検討致します」から→「慎重に聞いてみます」との事で、その後出した結論でした。

やはり本人は、自分で習う言ったので、嫌だと言ったら親に「怒られる」とか「失望される」と思って言えなかったらしい。

まぁ、ヴァイオリンなんて弾けなくても嫌いでも困らないさ。

親御さんだってヴァイオリンを押し付けたわけではない。
でも、他に何か得意な事ややりたい事がなかったり他のお子さんが楽しく勉強(習い事など含む)に取り組んでいたり進んでいたりすると、

「じゃあ、何なら頑張れる?」

という圧はあったかもしれない。
何か積極的に打ち込めるもの、夢中になれるものを持って、色々な経験をして自信をつけて可能性を広げて欲しい、と親として願う気持ちはよくわかる。

それに、何をやっても長続きしないのは良くないのでは?もう少し頑張らせないと、
というのと、でも、本当にこんなに辛く大変なのか?向いてないなら早く見切りをつけた方がいいのではないか?
という葛藤で判断がつかなくなってしまいます。

では仮に、特に何もなかったり、頑張れない子、努力しない子努力出来ない子がクズなダメな人間なのかと言えばそうではない。


うちの弟は昔から嫌いな言葉、「努力」「汗」「涙」でした😅。

アスリートなどが頑張っている姿を見て一般の多くの人が、

「感動しました✨。自分も頑張ろう✨!という勇気をもらいました」

とか盛り上がりがちなところで、いつも、

「いやいや✋見てるだけで苦しく辛くなる😵。いつも紀子のレッスンだけで信じられないと思っていた。ドMでなきゃやらんだろ。はーやだやだ」

とか言ってたし、

「スポーツで気持ちいい汗だって?汗なんていつだって気持ち悪いに決まってる😔」

とか屁理屈こねたり、3歳の頃から、

「ボクは何にも習わないからねー(>_<)」

と頑張らない宣言をしてました(笑)。
ま、それは私のレッスンみる母が夜叉のように変貌するのに恐れをなしていたのでしょうが😅

意欲もないけれど、私欲や野心というちょっと汚れた欲もないのが良いところです。

小2の生徒ちゃんは、いつも人目や顔色を伺うようなとこがあるけれど、裏を返せばよく気がつくという面がある。
うちに来てる男子と学校でも同じクラスらしく、その子はよく荷物まとめたり世話を焼いたりしてもらったりしているらしい。

学校や会社で成績や経歴、数字に反映される事ばかりでなく、皆良いところはあるわけだし、色々な人がいて成り立つ世の中だから、能力至上主義ではいけない。

ただ、うちはヴァイオリン教室である。

学校のように行かねばならないものではないし、自主的にやりたいと思う人が来るところ。
レッスンに来て言われても弾かない人が来る場所ではない。

あと、私は、

「音楽を好きになってもらいたい」なんて思っていないし、他人が好きにさせられるものだとも思っていない。

のです。
「音楽(楽器)好きを育てる事が先生の努め、仕事」と思っている先生も沢山いらっしゃるのですが、私はその考えには真っ向から反対です。

勿論音楽好きなら人が沢山いたらいいな、と思うけれど「あらあなたも😊?私もよ。趣味が合うわね」というだけ。

私だって苦手な事、嫌いな事、沢山ありますから同じく音楽に興味ない人、嫌いな人がいても悪いわけではない。

「私は○○先生のお陰で音楽が好きになったので」
と先生に感謝して、先生のお陰で好きになった、仰る先生も多いですが、それはその人の中にある「好き」をその先生が上手に育てただけ。本人が楽しさを発見するきっかけを作っただけ。
「好き」は元々あるかないかで、「楽しさ」は自分で見つけていくものです。

「中にないものを外から作り出す」なんて事、先生も親も神じゃないんだから出来ません。

だから私の場合、好きじゃなくて無理してると判断出来たら「親切で」伝えたいと思います。

ホントは好きじゃないで身にも付かない事、レッスン時間だけ、その子がストレスなく楽しくお話でもして「ちょっとだけやっとこっか?」とついでみたいにチョロっとやって、「楽器を持って楽しく通える場所」にして、本質から外れて騙し騙し生徒繋いで収入キープする事出来る人もいるかもしれませんが、私はしたくありません。


ご両親と最後のご挨拶にきた生徒は、本当にスッキリ晴れやかな顔をしていました。

「近くで会ったら声かけてね」

と言ったら頷いてましたし、ご両親もきちんとされていてお話とご挨拶に来られて良かったです。

「うちの子はこれもダメだったか・・・」

みたいに思わないで欲しいなと思います。

挫折や脱落ではなく、自分が「これではない」と選らばなかっただけの事です。
好きでない事、早くに気付いた方が無駄にする時間もお金もストレスも少なくて済むのです。

頑張っている人、良く弾ける人を見ると、

「努力しているから自信を持てる」または「自分を信じている(自信がある)から努力出来る」

という風に見えがちなんでしょうかね。
実際はどうなんでしょ?
私は子供の頃から自信あるように見られてましたが、そんな事ちっとも思ってもいませんでした。
目の前の事やるのに必死で人からどう見られてるか、人の評価など気にしてる暇などなかっただけです。

自分を信じていたのではなく、

「苦しさの先に自分が望んでいる楽しさがきっとあるに違いない」

と信じていただけ。

ないかもしれないし、、、💧
蜃気楼のようなものかもしれないし、、、💧
一度掴んだと思ってもすぐに消えてなくなってしまうものでもあるし、、、💧

だから今も続けているのだと思います。


最後のご挨拶にお紅茶とジャムを頂きました。
ありがとうございます。


何十年教えても人は1人1人違います。

こちらも日々勉強ですね。。。



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坂内  紀子