(車椅子用のボート改造NO7からのつづき)
(カタマラン艇との出会いについて触れます)
障害者になった私は免許更新で設備限定免許になり、従来使用していたボートが使用不能となった為、マイボート人生を諦めざるを得なくなりました。
しかし、夢を捨てきれない私は、車椅子を使用可能なボートを探しました。
インターネットが普及した現在、容易に探せると思いましたが、車椅子が使えるレジャーボートはナカナカ見付かりませんでした。
操船室が中央にあるフィッシングボートは両サイドの通路が狭く、漁船タイプはデッキがバリアフリーであっても船尾にある操船室に入れません。
結果的に車椅子の通れる通路のあるレジャーボートが無いのです。
そして、やっと見つけ出したのがカタマラン艇です。
カタマラン艇は船腹が広く、船中央に前後に移動できる通路がある理想的な船でした。
国産ではニッサンが製造している「サンキャット」のみがカタマラン艇でした。
一人で操船できる小型の船は「サンキャット7」と「サンキャット7.7」である事を知り、早速実物を見学に行きました。
しかし、中央通路に段差があり、ハードトップの屋根が低かったのです。
私は補助手すりに「つかまり立ち」をして数歩 歩く事が出来ますが、中腰は無理で、直立で立たないと歩けません。
サンキャットに乗り込むと、ハードトップの屋根が低く「直立で立つ」ことが出来ませんでした。
また、通路の段差が車椅子を妨害しました。
理想と思った船が使用不能とわかり、愕然と落ち込んでしまったのです。
何ヶ月か経過した時、半ば諦めかけていた私に妖怪のオヤジから「サンキャットの6は如何だ!」と言って来たのです。
サンキャット7とサンキャット7.7は知っていましたが、サンキャット6は始めて聞く名前でした。
船の構造を聞くと「ひと回り小さい船で」「中央通路はバリアフリーの段差無し」「乗降には椅子が使える」「屋根は無し」との返事でした。
ハードトップを作る事は可能と聞き、乗船できる船に巡り合えたと心躍りました。
これだ!これだ!
これを手に入れなければ一生 船に乗れない!
やっと車椅子で乗船できる船と出会えました。
そしてワラをもつかむ思い出で中古艇を探しました。
しかし サンキャット6は既に生産を終了しており、中古艇市場でも品薄でナカナカ見付かりません。
インターネットを駆使して四国の高松で中古のサンキャット6を手に入れることに成功しました。
散々探して、調べて、勉強して判った事ですが、小型ボートでバリアフリーのセンターウォークスルー艇は「サンキャット6」以外に存在しません。
そして、私仕様に改造できるのは「妖怪オヤジ」しか居なかったのです。
妖怪なんてとんでもない、オヤジは神様に見えてきました。
そして「正体不明の化け物扱い」をしていた「カタマラン艇」は、走行テストを繰り返すと、「癖の無い」「取り回しの良い」「波に強い」「揺れが少ない」などの優秀な走行性能を発揮する船である事がわかりました。
妖怪や化け物扱いして申し訳ないと反省、反省です。
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こうして安心していたのも束の間、またまた次なる問題点が発生しました。
(写真1)
写真1が一般のボートの船外機(エンジン)取り付け部分です。
船体ボディに直接船外機が付いています。
(写真2)
(写真3)
(写真2)(写真3)がサンキャット6の船外機(エンジン)取り付け部分です。
サンキャット6はボディから出っ張った部分に船外機を取り付けます。
出っ張った部分をアウトブラケットと言い、既製のアウトブラケット艇は見た事が無い、大変珍しい船です。
エンジン取り付け部分が外にありますので船内を広く使う事ができます。
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上写真の船外機(エンジン)の横にハシゴが付いている踏み台がプラットホームです。
泳いだ後、海から船に乗り込むときに使います。
一般のボートの場合「船外機」横のボディからプラットホームを取り付けます。
サンキャット6もボディからプラットホームを取り付けるので、アウトブラケット分 船外機(エンジン)は後方にあります。
スクリューにロープなどが絡んだ場合、プラットホームに乗ってロープを取り外しますが、「サンキャット6」はアウトブラケット分スクリューが後方にあるので手が届きません。
私も健常者の頃、ロープがスクリュウに巻き付き、取り外すのに苦労した経験があります。
ましてや障害者になった現在は、小さなプラットホームに乗ることすら危険が伴います。
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オヤジは「このプラットホームは危ない!」と一言いってから、ゴソゴソと廃船部品倉庫に姿を消しました。
オヤジがなにやら持ち出したのが上写真です。
これは廃船漁船のイケスのフタのようです。(イケスとは釣った魚を活かす水槽)
オヤジは何の説明も無くコツコツと作り出しました。
いったい何を作り出したのでしょうか?
ただし、この改造には日数を要しました。





