キャバレーは、大きなターミナル駅前の歓楽街にある、ビルの地下にあり、五階が確か託児所。



一階がエントランスフロアという、そこそこデカイ施設。

事務所と更衣室のフロアもあり、のらくろ少年には、結構広い世界でした。



託児所は、20畳ほどの一室で、10畳ほどのオレンジのカーペットの部屋が遊び場で、引き戸で仕切れるようになっており、残りの10畳ほどが畳の部屋。



就寝時間になると、引き戸で仕切り布団をくまなく敷いて、母親たちがお勤めを終えて迎えに来るまで子どもたちは、全員そこで寝るというシステムでした。



オレンジ色のカーペットの部屋は、ビルの外側で壁一面が上半分窓でよくあるオフィスビル。

ビルは歓楽街のメインストリートに面しており壁一面の窓からは、他のビルネオンがいつも眩しく瞬いていました。



窓には遮光用のカーテンがあったのでネオンが付いたら締めるという感じ。

でも、子どもたちあるあるの追いかけっこが始まると、カーテンに巻き付いて隠れようとするので、そのたびにド派手なネオンが頻繁に部屋を照らすという繰り返し。



その度毎に、保育士のようなおばあちゃんが締めに来るという感じ。

いままで、のらくろ少年が遊んでいたハイソなお子様たちとは違い、言葉遣いも丁寧ではなく、みな子供らしくまさにわんぱくと、やんちゃの集まり。


じつにバラエティーに飛んでいました。

今まで、ハイソな子供たちが喧嘩をしているところなど見たことなかったんですが、ここ託児所は違います。



みな好き勝手に動き、遊び、衝突もしばしば。
初日から喧嘩の嵐でした。

男のコはみなやんちゃ。



女の子は年上の子が多かったからなのか、母親の商売柄なのか、オマセな子が多く。

気に入った男の子の取り合いが、女の子同士のもっぱらの行事で、いさかいの原因もほぼ、それが原因でした。



私は、幸運なのかどうかわかりませんが、女の子たちに初日から気にいられ、


リーダー格の女子
「私達といれば、大丈夫よ。いじめられたら言ってね。」


と守ってもらえたので、やんちゃな男のコたちの標的にはならずに済みました。



しかし、そのあとの女子グループの、代わる代わる来る、のらくろ少年争奪戦の真っ只中に立たされ、それはそれで戸惑い混乱するばかりでした。



それは、はからずも訪れた、人生最大のモテ期であり、それ以降こんなにモテたことはないです。


なぜ、思春期にこのモテ期が来ずに、まだ物心ついたばかりの、なんの下心も無い少年に訪れたのか。


自分の運命を呪うこともありました😂 



なぜ、モテたのかといえば、今では到底考えられないし、誰に言っても信じて貰えないのですが、


当時ののらくろ少年は、見た目が女の子みたいだと、これから数年に渡って同級生の男どもに、からかわれ、いじめの対象になる感じでした。



それには、母親の趣味嗜好が、のらくろ少年の見た目にモロに影響しており、



母親
「男がメソメソすんじゃねぇ!
女の腐ったのじゃあるまいし」


が口癖であった反面


「あたしゃ、女のコが欲しかったんだ。」


と、生涯にわたり、のたまわっておりました。



やはり、男勝りな本質ゆえ、娘がかわいいと思う、男性心理と同じなのでしょうか。

なので、のらくろ少年の服装は、スカートまでは履かせないまでも、見た目を最重要視する母親のシックなセンスというものが全面に押し出されており、



おおよそ、男の子が好むようなスポーティさや、仮面ライダー、ウルトラマン的なキャラクターものは一切買ってくれず、


パンタロンに、ハイネックのセーター、靴は、ショートブーツ。

コートは、ベルベットのモスグリーンのポンチョコートと。



洋服は、いつも丸井デパートで高めのものを着せられていました。


また、極度の天然パーマでセミロングにカットさせられ、ホステスさんたちから、スヌーピーのチャーリー・ブラウンみたいでかわいいねーと、可愛がられるのが母親の至極の喜びだったようです。



のらくろ少年にとっては、いたってそのファッションは、うざいだけで、いつもジャージや半ズボン、髪型もスポーツ刈りにさせてくれと、懇願するも、


「だめ!かわいくない! みっともないだろーそんなの。」


と、

一切拒否されるという状況でした。



それが原因で、結局はいじめの対象となり、少年は暴力でカタをつけざるを得ない状況になることなど、母親には予想すらできません。



その後、結局、小学校に上がったときに、担任の先生から厳重に注意され、男の子は男の子らしい、格好をさせるようにときつく指導される羽目になったわけですが。



母親も流石に担任の先生に指摘指導されて、しおらしく


「わかりました。すみません…。」


と、ふだんはべらんめい長の、でかい声で話す母親が、蚊の鳴くような声で、反省しているフリを横目で見て、



なんだそれ…。


と思う、のらくろ少年でした。



それと、中身がバイオレンスな男である母親から、男の子が産まれてしまうのは、自然の摂理に思えて仕方ありません。

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