能天気にも、新しい世界が広がり新しい友達はどんどんできる。

とばかり思っていた、お花畑満開だった、のらくろ少年。


思わぬ襲撃を受け、楽しい場所だとばかり思っていた公園が、一気にデンジャラスゾーンに様変わりしました。


と同時に人の悪意と、暴力というものは力を持っているということを思い知らされました。


すっかりあの公園からは足が遠のいてしまった、のらくろ少年。

決してあの公園に一人で行ってはいけないと、尻込みしていました。


ある日のこと、Y兄弟といつものようにいろんなとこに出かけて、遊び歩っているうちに、なんとなくあの公園に足が向いていました。


のらくろ少年は、あの痛い仕打ちを受けた記憶が、鮮明に蘇ってきましたので、乗り気でない感じで、ついて行きました。

そんな感じを、するどいY兄は感じ取ったようで、不審に思ったようです。


Y兄
「…。どうした?行きたくないのか?」

そう言われ、のらくろ少年はこのあいだのリンチ事件のことを話しました。


それを聞いたY兄は、
「よし。早く公園行くぞ。」

と、のんびり歩いていた足を早めました。

Y弟も、よし行こう!! とくに怖がることもなく逆に活気づきました。

のらくろ少年は、嫌〜な予感を感じながらも、後ろを渋々ついていきました。


公園に付くなり、Y兄は
「そいつら、ここにいるか?」

と、聞いてきたので公園を見渡すと遊んでいる子供たち中に、なんといました。

あのグループ全員が。


そうしていると、グループのひとりが、
のらくろ少年に気づきこっちに意気揚々と駆け寄ってきました。

グループの少年
「また、お前か。気持ち悪いヤツ!」


この間の復讐劇のことを言っているようです。

Y兄
「こいつか?」

ポケットに両手を突っ込んで、動じることなく、そいつを見据えたまま、すっくと立っているY兄。

Y兄
「ここは、お前らだけの公園じゃねえ。みんなのもんだろ。」


グループ少年
「なんだよお前。関係ねえだろ。誰だよ。」


Y兄
「Yだよ。関係あんだよ。こいつのことやっただろお前ら!!汚えだろ!」


グループ少年
「うるせえ!こっちもやられてんだよ、こいつに!

Y兄
「お前らが、みんなでやりやがったからだろ!汚えだろ!!」


なんて、正義の味方な兄ちゃん!!


一触即発の空気


すると、モメている様子を見てグループの他の少年たちも駆け寄ってきました。


他の少年
「また、お前か。この間はやってくれたな〜」

とまた、襲いかかってくる感じ。

すかさず、Y兄が間に立ちふさがり


Y兄
「今日は、俺たちが相手だ!」

かっこいい😁


グループ少年
「こっちは4人だぜ!やんのか?」

Y兄
「関係ねえ。」

かっこいい😁けど、不安😅


すると、他のグループ少年が
「……?ん??  Y じゃねえ?」

Y兄
「だからなんだよ?」

グループ少年
「やべえ!Yだよ、Y!!
逃げろ!!!!」


と、言って蜘蛛の子散らすように離れていきました。
さり際にグループ少年の誰かが

「2年のYだよ!あいつヤベえヤツだよ!!ヤベえ ヤベえ!!!」

と言って、自転車に乗って逃げていきました。

Y兄
「なんだあいつら、たいしたことねえ。」


どうやらY兄の武勇伝は、その辺の子供たちの間に轟いていたようで、同じ小学校の少年グループだったらしく、Y兄の顔を見て一目散に逃げて行きました。


Y兄
「こんどからは公園にくるときは、俺たちといれば大丈夫だから。」

またまたカッコいい兄。

でも、どんだけ武闘派なんだろうって思いました。

その日から、この公園で攻撃を一切受けることは無くなりました。

遊ぶときはいつも一緒で、行く先々で因縁をつけられることがあっても、3人で暴れて解決していました。

Y兄の武闘派ぶりは、その後何度も目の当たりにしましたが、ほんとに喧嘩が強い人だなと思いました。

しかも、自分からは決して手を出さず、向こうが、さんざん手を出してたら、その間は微動だせずに受けておいて、

「やったな?」

と決まりゼリフを言ってから、一撃を食らわせるというスタイル。

強くなければできないやつです。


どこで、こんなに喧嘩が強くなったのか不思議でなりませんでした。