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 交通事故による心肺停止状態から、父の発明による蘇生器でクマ人間として復活したウトクマ(うとうとクマさん)をめぐる奇妙な物語の数々です。
 変人か常識はずれの人物しか登場しません。
へんてこりん、シュール、不条理、異常、などがキーワードです。

 家族制から部族制をへて国家がかたちづくられるうちに、禁制や公序良俗の観念が形成され、法律が整うには、根本に共同幻想というものがあると思想家吉本隆明は説いておりますが、社会の秩序の形成と維持に必要な共同幻想なるものは、人間というそもそもが不条理な存在を疎外し、個性を無視し、才能を押しつぶす凶器としても働いております。一人一人違うものを全体の基準の中へ押し込めようとする共同幻想の横暴を挑発し、暴露し、共同幻想家の頭の固さと融通のなさを笑い飛ばし、個人の魂の自由と無限の想像力に翼を与え、飛び立たせる一助となることが芸術家の本来の役割なのであります。

 ウトクマと彼をめぐる人々は、すべて共同幻想と対峙する個人幻想家たちであり、彼らの規格外のへんてこりんな個性が、共同幻想の灰色の雲に覆われた日常を、刺激と新鮮さに満ち満ちた、彩り豊かな世界にかえて行きます。

 

 今回のテーマは、共同幻想の外の世界にいる芸術家、ないし芸術がテーマです。この美術の先生は、共同幻想の中での常識にとらわれているわれわれの予想にない行動にでます。