風刺は消えたんじゃない。
場所を変えただけだった。
──
新聞の風刺画が好きだった。
でも、気づけばほとんど見なくなった。
コンプライアンスの影響なのか、それとも、あの “チクリと刺す” センスを持った描き手が減ってしまったのか。
理由ははっきりしないけど、あの独特の空気を最近はあまり目にしない。
一方で、音楽の世界を思い返すと、昔は“ピー🤬” な歌詞があると、テレビではそこだけ差し替えられたり、場合によっては曲自体が流されなかったりもしていた。
でも今は、YouTubeをはじめとして、表現の場所はいくらでもある。むしろテレビよりも自由に、そのままの形で届けられる時代になっている。
先日、おすすめに上がってきた清水ミチコさんの
「ホルムズ海峡冬景色」。
名人芸。実に見事。
きっとテレビでは難しいかもしれないけど、こうして普通に観られるのは、今の時代ならではだなと思った。
さらに、川田十夢さんの「鉱脈」。
お巡りさんたちが見たら、思わず “ムムム🤨” となりそうな内容だけど、これもまた、今を切り取ったインパクトのある風刺で、実に“今っぽい”。
安全のために作られたはずのルールが、「取締まり」や「手柄」、ひいては私服を肥やすためのものにすり替わってしまう皮肉を見事に描いている。
正直、そこまで舵を切らなくても…
──という気持ちがないわけでもないけど😅
そういえば、22〜23の頃。
オートバイから降りて手押ししなければいけない場所を、またいだままトコトコ進んでしまって、切符を切られたことがあった。
危険な状況でもなく、正直「知らなかった」という感覚だったけど、若いお巡りさんは、注意では済ませず、きっちりと処理した。
あの頃の自分だったら、この川田さんの動画に大いに賛同していたと思う。
なんだかあの若いお巡りさん、安全のため、私のためというより、ルール通り、権力を手に正義を振りかざしてるだけのように感じたからだ。
正しさは立つ場所によって輪郭が変わる。
だからこそ風刺は、誰かを笑わせながら、同時に少しだけ考えさせる。
そして今、その居場所はテレビではなく、YouTubeのような場所に移っているのかもしれない。
形は変わっても、あの“チクリと刺す力”は、ちゃんと生きている。
その一端を、ここに置いておきます。
●名人芸の風刺
●今っぽい風刺