今週の彼は仕事のミスをして病み気味だった。私が友達らと遊びに行ったのも「俺がいなくてもノラは楽しそう」と病みの要因の一つになったのかもしれない。


私は遊びに行った先でも彼とも来たいなと考えて過ごしていたのに勝手に病んでた(^_^;)ホントなんだそりゃ。


そんな病んでる彼が前の晩「少しでもノラに早く会いたい!」と訴えるので、ご希望通り顔も洗わず寝起きのまま、家着にコートを羽織って彼の家に向う。


電車に乗ると線路に人が侵入して確認作業のため停止し到着時間が遅れる。彼に連絡する。


彼:気長に待ってるよ

私:ズタボロノラなので、そんなに待ってなくていい笑

彼:でも可愛いノラだよ?


優しい彼。


私:お腹空いた。はらぺこノラだよ。

彼:じゃあいっぱい食べよう

私:何か作っておいてー

彼:OK

私:着いたら直ぐ食べたい

彼:何か作っておくね

私:うん


病んでるはずの彼に甘え倒す私。今日は迎えに来なくていいよと伝えて家へ向う。


家に入るといい匂い。彼が蓋を開けて嗅いでみてと言うけれど、もう既にいい匂いしてるよ、と伝える。




塩麹とバターをベースに味付けした挽き肉とマッシュルームとほうれん草のパスタが出来てた。


赤ワインなどの隠し味がされて濃厚で美味しい。「美味しい〜!」と平らげる。


来た時から気になっていた。彼の顔がなんか引きつっている。寝癖も最近では見たことないくらい酷い。私が来る日はシャワーを浴びて待っていることが多いのに。なんか変。


お腹が満たされ部屋を見る。


!!!!


布団の上にドミノピザの箱が4箱も置いてある!Lサイズを一番下にSサイズが3箱置いてある。


「えっ?一度にそんなに食べたの?」「2回に分けて食べたよ」「それでも食べ過ぎじゃない?」「ストレスが溜まって食べた」「食べてストレス解消はよくないよ。食べた罪悪感で余計にストレスが溜まるよ。」「そうだね」「クーポン当たったのがよくなかったねー」「そうだね。だから残りは職場の人に売ろうと思って。」「え?そんなことするの?日頃お世話になってるのだから、ここはプレゼントでしょ」「いいの!」


なーんか話が噛み合わない。


気を取り直して二人で家事や片付けをしながら取り留めもない、お喋りをする。


グラビティの共通の知り合いが戻った時の話になって彼の様子がおかしい。歯切れが悪い。問い詰めると「どうせ言ってもノラは怒るでしょ!」とキレる。そこで察する。


詳細は省くけれどグラビティ内でダサいことをしてた。注意しなくても大丈夫だと思ってたのに。


「ホント人間関係のセンスないよね。ダサ過ぎる。」「なんでノラはいいのに俺はダメなんだよ!」と大声をあげる。


マジでダサい。分からないのか?


私は説明をするが納得いかない様子で立ち上がる。


「そうやって、あれもダメ!これもダメ!と何にも出来ない!」


とドスッドスッと両足ジャンプの地団駄を踏む。


嘘でしょ〜〜〜!地団駄って。そもそもネットの世界の自由ってなんだよ。ダサいことして欲しくないだけなのに。


「下の階の人に迷惑だから、やめな」「知らない!ふん!」と彼は横を向き、玄関の方へ向う。これは外へ逃げるパターンだ。


しかし、ふん!って、なんだよコントかよ。私は呆れて溜息をつく。どうしようかなあと床に座ったまま動かないでいた。


すると玄関から彼が戻って来て「ノラごめんね」と謝ってきた。いつもの優しい彼になっていた。顔に引きつりもなくなっていた。


「ノラの嫌がることしてしまって、ごめんなさい」と、更に謝ってきた。


「いいよ。よく直ぐに自分を取り戻して偉かったね。」「成長しました」と照れながら彼は笑う。


「さっ出掛ける準備しよう。まずは私シャワー浴びたい。顔も洗わずに来たからね。」「俺、実は2日間お風呂入ってない」「うわっ汚っ。道理で変な寝癖ついてると思ってたんだよね。病むとダメだね。病んでも、せめて清潔は保とうよ。」「はーい」


地団駄踏んで発散になったのかな。それとも反省したのかな。


そこから怒涛の甘い時が始まる。