
SAGITTARIUS
Present Tense(1968)
自分の中では、長いこと聴いてなかったこともあってか、ちょっと印象の薄いアルバムだったのだけど、久々に聴いてみると…もうたまらん、と、すっかりのまれてしまったわけで、埃をかぶらせたままにして、正直すまんかったな1枚。どうして放ったらかしにしてたんだろう?
元々はゲイリー・アッシャーが片手間でやっていたグループ。それが「My World Fell Down」が全米チャートの下位に滑り込むヒットとなり、一気に本格的なプロジェクトへと発展。そんな時、ゲイリーがカート・ベッチャーと出会うことになり、カートを加えて、ボールルームとミレニアムのデモ・テープを元に、スタジオ・ミュージシャンを従えて作り上げたのがこの唯一作。ミレニアムほどの凝ったアレンジは施されてはいないけれど、フォーク、フォーク・ロックを軸に、程よく加工された音像は、今にしても充分新鮮。何にしてもやりすぎなカートが、ちょっとその才気を押さえ気味なのが、かえって良い方向に作用している。僕はミレニアムよりはこっちの方が好きだな。
「天使の声」と一部で評判のカートのヴォーカルの魅力がダイレクトに伝わるだけでなく、また、非常に優れたソングライターであることも証明する傑作。いきなり冒頭の「Another Time」で、そのソングライティングの冴えを確認できる。音像自体は控え目でありながら、かなり大胆に中枢神経を刺激してくる名曲だらけのアルバム。ミレニアムも良いけど、こちらも忘れずに。