戦争広告代理店 by 高木徹 -本のレビュー- | 地球に優しく自然体でエコロジーな日々を夢見て

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病み上がりのnoraです。

同僚にお勧めされた「ドキュメント 戦争広告代理店」という本を
完読した。 文字の通り、(戦争している)国を広告した代理店を
取材、調査したNHK職員の報道ディレクター高木徹さんの実録書。

PR(Public Relation)は恐らくアメリカで産まれた概念であり
言葉であると理解しているのだが、アメリカのPR戦略は実に巧みで
歴史さえも作って(変えて)しまう力を持っている。

PR会社の戦略によって大統領選の勝敗も、戦争の勝敗も決って
しまうのである。それはアメリカで行われる裁判にも見受けら
れる光景である。正義を問い判決を出すのではなく、物事に
勝敗を決めるという考え方。

それを勝たせるために存在するのがPR会社であり、危機管理
および危機対応のスペシャリストと言える。

この本はドキュメントであり著者が目にした証拠やインタビュー
内容を書き留めたもので、PRの是非を述べているわけではない。
それゆえ読者が自由に受け取り、自問する機会をくれる。


現在も日本では、不祥事や、不意の事故にパニックをおこし、
明らかに対応を間違えている人(政治家)や組織を日がな目にする。

メディアに突然出ることになった人でも、少なからずMedia Relation
という考え方は身につける必要がある。

例えば光市母子殺害事件の被害者夫である本村洋氏は、事件当初
感情をそのまま言葉にし、ストレートな怒りの言葉をメディアに
出し、メディアとの関係も良好ではなかった。

事件から8年後には当時の発言は適切ではなかったと話し、
メディアと良い関係(うまく利用する)を築いていらっしゃる
ように見受けられる。

当事者は”その時”は感情的になるのがごく自然な事で、感情的
になっているのをもちろん批判などできない。また、メディアは
対象を感情的になるように仕向け、それを報道するのが仕事だと
とらえているであろう。

時にハイエナと評されることもあるメディアだが、一方でメディアを
うまく利用することで、世論を動かし組織や国を変えた
例は数えきれないほどある。要するにはメディアをうまく利用
することが重要だと考えられる。それには”当事者”をメディアに
露出するタイミングを見計らって、適切にプランニングできる
プロフェッショナル(PR)が不可欠なのであろう。

そんなことを考えさせられる本書である。