24時間ずっとというわけではないのだが、それでも薄っすらとずっとモヤモヤしていることがある。

 

職業訓練のカリキュラムに「施設での実習」があるのだが、訓練生が一人ずつ実習先での出来事を発表していた時のこと。

 

その彼は、私と同日同施設で実習したのだが…。

 

彼:「認知症の進んだ高齢者とコミュニケーションを取るこ

   とができました」

 

確かに彼は同じ利用者のそばにずーっと居て、コミュニケーションを取ろうと頑張っている様子だった。

 

彼:「その利用者に手招きされて、その都度そばに行きまし

   た」

 

その利用者のことは私も気になっており、常に私の視界に入るようにしていたのだが、手招きは2度あったかな?という程度だ。むしろ、彼自身が手招きされたわけでもないのに何度も利用者に近づいて行っていた。

 

彼:「最初は会話らしい会話は出来なかったのですが、声掛

   けをするうちに最後は笑顔を見せてくれました」

 

実際の最後の状況は、その利用者は無表情で真っすぐ前を向いていた。

 

彼は嘘をついている。

 

その理由は分からないが、懸命に発表する彼の姿が哀しかった。

 

 

アラフィフ、今日もそろりと生きてます。