ある日、電車のボックス席に座っていると、普段あまり目にすることのない体格の女性が、私の斜め前の席に座った。
同時に、強烈な臭いがボックス席に漂う。
何日も頭や体を洗っていないのか、何日も洗っていない服を着ているのか、それともその両方か。
とにかく酷く臭うのだ。
眉間に皺を寄せてじっと目を閉じているその女性を、チラチラと観察してみた。
額にはジワリと汗が滲み、白髪と黒髪が混在するゴマ塩状態の長髪は酷くパサついている。
そして、片方の手には包帯が巻かれている。
何処かでつまずき手をついたは良いが、その大きな体を支えきれずにケガをしたのか?
よく見ると、包帯から出ている親指に切り傷がある。
何かを叩き割りでもしたのか?
そうして考えを巡らせ、臭いから気を逸らそうとしている間に、乗り換えの駅に到着した。
乗り換えた電車で隣に居合わせた、男性。
これまた臭うのだ。
つり革を握るため開いた脇から漂う強烈なワキガ。
今まさに脇自体から臭っているのか、ワキガの染みついたアウターから臭っているのか、それともその両方か。
その日は連続で臭う人に遭遇。
夏でもないのに、これって偶然?
今のまま肥え続けていると、あの女性のような体格になるぞ、という警告か…
それとも…え?…お前も臭ってるぞ!というお告げ?!
他人様に会う時は、特に臭いには気を遣っているつもりなのだが。
アラフィフ、今日もそろりと生きてます。