エキストラの一人として、あるドラマの撮影現場へ行った時の事。

 

確か、季節は冬だった。

 

すっかり日も暮れて、私たちエキストラは寒空の下、出番が来るのを待っていたのだが、そんな私たちを見た主役の阿部寛さんが、自身がひざ掛けとして使われていた毛布を「どうぞ、使ってください」と言って貸して下さったのだ。

 

阿部さんの傍に居たスタッフさん達は慌てた様子で、毛布を彼に戻そうとしたのだが、「僕は大丈夫ですから」と言い、更にそのスタッフさん達に「他に毛布はない?1枚じゃ彼女たちに足りないから」と気遣って下さったのだ。

 

 

20年以上前のことだけれど今でも時々思い出す、役者を目指していた頃の素敵な思い出。

 

 

アラフィフ、今日もそろりと生きてます。