中学生の頃の私は荒れていた。

 

思春期。

 

その一言で片づけてはいけないと思うほど、両親に、特に母に生意気な口を利いていた。

 

もっとも、今も後悔していることが、それよりずっと以前の小学生の頃にある。

 

休日には学校の校庭に集まり、バレーボールの練習をしていたのだが、子供たちだけでは危険だということだったのだろう、生徒の母親が当番制で見守りに来ていた。

 

その日、母は当番だった。

 

他の母親たちが大声で応援し歓声を上げるなか、母は微笑みながら静かに見守っていた。

 

母は決して自分から前に出ていくような目立つタイプではない。

 

そんな母を見て、同級生の一人が練習後に私に言った。

 

「〇〇ちゃんのお母さん、幽霊みたい」

 

私は、そのことを母に話してしまったのだ。

 

その時の母の顔を思い出すたび、傷つけてしまったことを悔いるのだ。

 

あれから40年…。

 

どうして言ってしまったのだろう、母は知らなくて良いことなのに。

 

お母さん、ごめんなさい。

 

謝りたい。

 

けれど、母の記憶に残っていなかったら?また傷つけることになる。

 

母に会うたびに当時の事を思い出し、いたたまれなくなるのだ。

 

 

アラフィフ、今日もそろりと生きてます。