前職に就いていた頃の話。

 

その日は残業で遅くなり、最寄りの駅に着くや小走りで自宅へと急いでいた。

 

自宅へ続く最後の道に出る少し手前で、高齢と思われる女性の叫び声が聞こえて来た。

 

思わず立ち止まる。

 

すると、その女性がまた何か大声で叫び出した。

 

「$〇× &? #$!ゆっくり!」

 

「△☆♯ちゃん◎△$♪×¥!」

 

何だ?

 

再び歩き出して通りに出てみると、おぼつかない足取りで犬を散歩させているお婆さんがいた。

 

徐々に距離が縮まり横を通り過ぎた時、彼女が何を叫んでいるのか、ようやく理解した。

 

足の悪い自分に合わせてゆっくり歩くよう、連れている犬を叱っていたのだ。

 

事件でなくて、良かった。

 

けれど、あんな時間(22時過ぎ)の散歩は、犬を飼っている方にとっては当たり前のことなのだろうか。

 

他人様の事とはいえ、危険な目に遭遇しなければ良いが…と、心配になるのだった。

 

 

アラフィフ、今日もそろりと生きてます。