今でも時々思い返す、あの時「B」ではなく「A」を選んでいたらと。

 

短大を卒業し就職した先を、資金を貯めて1年半で辞め、上京した私はオーディション三昧の日々を送っていた。

 

最初に合格したのは、エキストラを多く抱える芸能事務所だった。

 

マネージャーさんに付き添われ向かった先はCMの撮影現場だった。

 

そこには大手芸能事務所に所属する芸人さん達がいたのだが、少しでも話しかけられようものなら、すぐにマネージャーさんがやって来て牽制するのだ。

 

(ほんの少し話掛けてくれただけじゃない、おおげさ)

 

と、ほんの少しイラっとしたのだが、その時の私の心の大半はこうだ。

 

(えーーー!私、アイドルみたいじゃん!)

 

何という勘違いあせる

 

数ヶ月後にはエキストラの仕事ばかりしていた。

 

そして、次にオーディションを受け合格した事務所が「A」と「B」だった。

 

「A」は、有名女優も在籍する芸能事務所

「B」は、当時人気のあった番組企画で、毎週のように出演していたダンス講師が始めたという芸能事務所

 

私は迷った末に「B」を選んだ。

 

あの時「A」を選んでいたらどうなっていたのかと、時々思い返す。

 

「B」を選んだ私は、その後、世間を賑わせた事件に巻き込まれるのだった。

 

 

アラフィフ、今日もそろりと生きてます。