将来の夢は「役者になること」

 

そう寄せ書きに記したのは、いつのことだったか。

 

幼い頃から、ずっと役者になることを夢見て来た。

 

その夢を叶えるために「将来、東京に行く」と、ある日、小学4年生の私は母に言った。

 

少し間があり、母は私に言った。

 

「分かった。〇〇ちゃん(私)が小学5年生になったら、お母さん、もう何も言わない。自分で責任をもって全部決めなさい」

 

家を出ることを宣言しておきながら、ちょっぴり寂しい気分になったことを覚えている。そして、もう頼れないんだ…と緊張したことも。

 

それから2年ほど経った1986年の夏、更に役者になることへの思いが強くなる出会いがあった。

 

映画『プルシアンブルーの肖像』

 

この映画に出てくる少女に嫉妬したのだ。

 

どうして私はこっち(客席)に居るんだろう?

 

どうして私は向こう(スクリーンの中)に居ないんだろう?

 

その後、小学校を卒業した私は中学校~短大まで演劇部に入り、芝居中心の日々を過ごしていた。

 

そして、上京資金を貯めるために就職し、その1年半後に上京したのだった。

 

今でも思い出すのは、実家から通える会社を望んでいた両親に「決まった就職先が〇〇県(東京ではない)だから、家を出る」と言って、二人を驚かせてしまったこと。

 

上京はまだ先のことだと思っていた両親に、寂しい思いをさせたのでは、と少しだけ気になっている。

 

 

アラフィフ、今日もそろりと生きてます。