90分から120分。
受験指導とは、時に長くなってしまうことがあります。
そうした場合、オリンピックのカーリング女子を見習って「もぐもぐタイム」にするようにしています。
今日も、そのためのお菓子を大量に購入してきましたが、これは予想以上に大切なことだと思います。
いまやスポーツの世界では常識ですが、勉強、ことに指導を受ける時間、授業でも同様ですが、これを長くすれば学力があがるなんてことは、ほとんどありません。
指導の方法は従来型で、ただただ時間だけ、授業数だけ多くする、これはもう「スポ根」の世界です。
確かに、ある一定の長さはどの分野のトレーニングでも必要であり、それを否定するものではありません。
しかし、学校で言うなら「8時間目」「9時間目」・・・これはもう、学校の自己満足、宣伝だけが目的・・・「スポ根」というか、「巨人の星」の正解です。
勉強というトレーニングをするのであれば、指導者が量や長さに依存するのではなく、「質」の向上に努力すべきではないでしょうか。
もっとも、この「質」の改善は容易ではありません。
多くの場合、自己の学力が向上したときに「経験的手法」を指導に用いますが、これはまずまず成功しません。
また、他者の「模倣」もしばしば見受けられますが、これとて「型」を真似するだけ、もっといえばほぼ盗作になるため、大きな効果を見出せません。
そうなると、ほかに選択肢がなくなり、どうしても学力の向上のために「量」と「長さ」を選択することになるのです。
つまり、時間を伸ばすのは、実は手詰まりの証拠なのです。
これから、小学校6年生の皆さんや、中学校3年生の皆さんは、志望校選びが始まるでしょう。
その時に、
「うちの学校は、こんなにたくさん勉強させます」
「うちの学校の課題は、こんにたくさんあります」
「うちの学校は、授業数が他の学校よりこんなに多いです」
こんな、ことを説明会で話す学校は、きっと「スポ根」学校であり、昔で言えば、
「練習中は水を飲むな」
なんて指導を、学習でしていると思ったほうがいいと思います。
それよりも、「もぐもぐタイム」があったり、時には授業中に映画を見たりといった余裕ある楽しい時間があり、それでも数字的に学力は伸ばせます、そんな学校を探してほしいと思います。
「スポ根」的な学習指導をうければ、そもそもその分野の学問を好きにならず、ただただ歯を食いしばって頑張るだけです。
本来、スポーツでも勉強でも、楽しく興味深いものであり、ひたすら我慢するものではありません。
変な精神論を振りかざすのは、まさに昭和の指導であり、どちらかといえば、適度な「もぐもぐタイム」のほうが、学力の向上に寄与すると思います。
そのうえで、合理的で斬新、かつ独自の指導方法があれば、きっと勉強が楽しくなり、同時に学力も向上するのでないでしょうか。