教えることと伸ばすことの違い | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

先日、ある公立高校の生徒からこんな話を聞いた。

 

私の学校の日本史の先生は、こんな風に言うんです。

 俺の授業を聞いていれば、誰でもセンター試験で90点はとれる。

 センターで60点しかてれないやつは理解できない。

でも、定期試験でセンター型の出題はまったくないし、センターに出やすいところも教えてくれません。

また、文化の写真も、結局、全部大事っていうだけだし、センター試験型の模試にも何の役に立たないんです。

 

読者の皆さんは、お判りでしょうか。

おそらく、この先生は日本史が得意であり、受験問題を解けばきっと点数がいいのだと思います。

ですから、その自分の知識を、ひたすら「教えている」のだと思います。

しかし、だからといって生徒の学力が「伸びる」かと言われれば、決して「伸びる」ことはありません。

 

このケースで決定的に不足しているのは、生徒から見て何をしていいのかがまったくわからないということです。

つまりは、勉強の仕方は自分で工夫しろというスタンスなのでしょう。

これこそが、「教える」ことに終始して、決して「伸ばす」ことができない理由です。

 

むろん、もともとのポテンシャルが非常に高い生徒であれば、自力でなんとかするかもしれませんが、そういう生徒はそもそも授業がなくても何とかします。

ほとんどの生徒は、「教える」だけでは、ただただ困るだけです。

 

「教える」ことと「伸ばす」ことは違うのです。

「伸ばす」とは、「日程」と「手順」を明確にすることです。

つまり、スケジュールを作成し、練習メニューを提供するのです。

それは、決して生徒側が作るべきものではなく、あくまで指導者側が作ります。

これはスポーツでは当たり前のことであり、だからといって選手の自主性がないとは誰も思わないのではないでしょうか。

 

多くの生徒が求めえていることはなにか。

それは、

 

「何をしたらいいのか」

 

を知りたいのです。

 

それを知りたいと思うことは、決して自主性の欠如ではなく、それが「伸ばす」ことに決定的に欠けていることを、生徒は知っているからです。

 

「教える」ことに終始していては、「伸びる」のは一部の例外的なポテンシャルの高い生徒だけであり、全体は他校に比べて伸びません。

 

「教える」こと、「伸ばす」こと、さらには「自分ができること」を明確に区別してこそ、はじめて「伸ばす」結果に近づけるのです。

 

 

 

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