受験における日本史選択の優位性 | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

高校生になると、社会科目は選択制となる。

その際に、根拠なく、

 

「世界史は受験に有利だぞ」

「世界史は深くやらないから簡単」

 

などという言葉を耳にするが、世界史が得意か好きでない限り、よくよく考えて欲しい。

冷静に考えて、日本史の優位性は明らかである。

 

その優位性の根拠は小学生までさかのぼる。

社会科のどの科目も、学習する量は膨大であり、日本史、世界史ならその語句数は12000語句に達する。

それをすべて学習するわけであり、その量の比較では日本史、世界史でそれほどの差はない。

しかし、日本史は、そもそも小学生から学習が始まり、中学生でかなり学習する。

ちなみに中学でいう「歴史」とは、明確に日本史の事である。

ましてや中学受験をすれば、その歴史的分野とはすべて日本史であり、その内容レベルは、中学で学習するレベルを超えている。

これは、実は地理でも同様となる。

 

こうして高校生の段階では、例えば日本史の場合、大学入試に必要な語句のうち、実は半分近くを学習し終わっているのである。

それに引き換え、世界史は「カエサル」すら中学校で学習することはないため、高校が事実上学習のスタートとなる。

 

このアドバンテージは大きい。

むろん、世界史が好きだとか、そもそも興味があれば別だが、日本史、世界史への距離感が同じようであれば、それは間違いなく日本史を選択すべきだ。

理系だった生徒が文転した場合、ほとんどが日本史を選択する理由がそこにある。

 

つまり、日本史は、世界史に比べて圧倒的に負担が少ないのである。

これは世界史はそこまで深く学ばない、といった理屈とは全く異なり、ようは高校で学ぶ絶対量の差である。

 

高校1年生の多くは、この秋に文系や理系、世界史か日本史かの選択をする。

日本では、なぜか理系には固定概念からか日本史選択の余地はないが、本当は理系だって日本史選択のアドバンテージは大きい。

 

一部の学校では、日本史担当の教員や世界史担当の教員が、優秀な生徒の選択の際の取り合いといった見苦しいことをしているが、そもそも教員のために選択が存在するわけではない。

何度も言うが、好きであれば話は別であるが、もし世界史、日本史の選択条件が各自のとっ同じであれば、日本史選択に迷う余地がないことは間違いないと断言しておく。

 

 

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