【再掲】 お宿の七不思議「宿泊10万円分の割引券?」 | 旅館・リゾートホテル応援団 伊豆・箱根・熱海 他全国の温泉地、里山活性化を考えます

【再掲】 お宿の七不思議「宿泊10万円分の割引券?」

今回もメールにて不思議ネタを頂戴いたしましたのでテキストに使わせていただきます。

ロッキーさんいつもありがとうございます。


今回のテーマは「還元サービスはどの位まで出来るのか」です。


>夏に泊まった宿から、1週間ほどしたころに、特別に選ばれたお客様に・・・と割引券が送られてきました。なんとその割引券、10万円分!と言っても1万円のチケットが10枚でしたが・・・ そして「5000円相当の逸品料理プラス券」「一部屋にフルボトルのワインorシャンパーニュプレゼント券」「エステ半額券」「特産品おみやげ券」

割引券利用は1回一枚ですが、他のチケットはすべていっしょに使えるとのこと。いい宿だったなぁ・・・・機会があったらまた行きたいなぁ・・・・ でも、高いからなぁ・・・  のっぽさんが言われるように、余韻冷めやらぬうちに・・・そんな絶妙のタイミングでした。これだけ、お得感があったら、行ってみようと思わされてしまいます。
確かに別の宿から、5000円相当のお食事プラスの案内が来たときは、感動も薄れてきた頃だったので、気持ちはそれほど動きませんでした。

~中略~

そして、このチケット利用には、条件があります。宿に直接予約をすること。1万円の割引はとんとんになりますが、それでもプラスの特典を考えると充分お得感があります。直販の囲い込み戦略なんだなぁ・・・そして、10万というインパクトで、メディア戦略なんだな・・・と思いつつも、しっかり乗せられて、次の宿泊を画策しいるところです。

そこで質問なのですが、利用者側からみてかなりの特典に思えるのですが、これだけのサービスをつけても、見合うものなのでしょうか?


 お宿さんの手数料については前回「リピーター創りのためにPARTⅠ」 である程度ご紹介させていただきました。まだご覧になってない方は、是非ご覧頂いてからお読みくださいませ。


 ロッキーさんに割引券を贈られてきたお宿さん(ホテル?)さんは、常日頃前向きな販促をされておられますよね。いつだったかダイナーズ会員様向けにDMをされておられましたし・・・セグメントして5万人に実施してもクラウンが買える位かかるのに・・これはお宿さんがご自分の商品(顧客満足CS)に自信があるから取れる戦術ですね。取り敢えず宿泊さえしてもらえればリピーターに変換できると。


 じゃらんネットの例で解説します

2名で¥80,000のプランを利用したとしますとその送客手数料(じゃらんに支払う金額)は合計8%で¥6,400

じゃらんはポイント割引が使えますのでその場合、ゲストが10%まで使用できます。よって¥8,000

単純に2名様¥14,400はじゃらんから申し込まれた瞬間に変動費に変わります。

これを販促費に変換する考えで取り組みますと、


直接申し込み限定で→じゃらん手数料¥14,400が浮く

¥10,000割引をしても→¥4,400使える

直接商品特典なら原価で済む→料理原価率30%、ドリンク原価率30%、お土産品65%

※この原価を基に特典を付ける考え方は、特典インクルーズプランといって、よくあるのが、「近隣テーマパーク無料券付」とか「いちご狩り付」等です。&上記原価率は通常の考え方でこのように期間限定なら更に落とす事も可能です。

これで見事¥14,400を使い切りました。


ですので、視点を変えて販促するだけでこれだけインパクトのあるダイレクトメリットを※顧客に還元できるのです。

※顧客=基本的に初回ご宿泊時のお客様は「モニターゲスト」と考えます。パン屋さんが開店した時集まるお客様ですね。そのお客様の中で、買って食べたパンが美味しく、コストパフォーマンスに優れていると思われた方が次回から来店され初めて“顧客”となる、考え方です。


 プラス、この戦術にはさらなるメリットが2つ・・・

>泊まった人、全員に送っているのだろうということは、想像されても、特別に選ばれたお客様と言われるとちょっと、気分もいいですし(笑)

>それにしても、10枚いただいてもそんなに行けるわけないわよね・・・・誰かにさしあげようかしらと思うのを見越してのことなのか、紹介した方にも、4つのサービス特典がつくのだとか。そうなると、いいところだから、行ってみて~。こんなに特典もつくのよ~って紹介したくなります。

>リピーターを確保しつつ、口コミの広がりも期待できるうまい方法を考えたものだなと思いました。


 ロッキーさんが答えを全て言ってくださいましたが、まさにその通りなのです。

顧客作り(囲い込み)の仕掛けであり、新規営業(ご紹介の期待)でもあるのです。今回のお宿さんは、確かに日頃からマーケティングを意識した戦略を取られています。バトラーサービスしかりですね(笑

 唯言える事が一つあります。それがこのテーマを七不思議に入れたポイントなのですが・・・

飲食店や他業態では、もっと多くの企業さんがマーケティングの勉強をされ頑張ってます。


“何故宿泊業の経営者の方はもっと勉強されないのですか?”



おまけ

ちなみに好い機会ですのでじゃらんの手数料問題を。

 当初インターネット予約にお宿さんが相次いで参画した最大のポイントはコストでした。

当時の主流であったJTBや近畿日本ツーリストなどの旅行代理店手数料と比べ、10%前後手数料コストが安くなるのです。これを、¥20,000/人の宿泊料のお宿さんに当て嵌めますと2名で¥4,000利益が変わってくるのです。

 ところが・・・・・ここ数年変化がでてきました。じゃらんが会員ポイント割引を始めたからです。じゃらん会員になっているとポイント割引が使えるプランに対して10%までポイントが使えます。このポイント分(1ポイント1円換算)はお宿負担になります。(ちなみに楽天トラベル等は、現段階では負担なしです)

 すると従来8%位だった手数料支払がが一気に18%に上がってしまうのです。確かにポイント割引は強制ではありません。お宿さんの任意選択にはなっています。しかしポイント割引の有無は予約コンバージョン(成約率)に大きな影響を与えるため、任意とはいえ選択の余地がないのが実情です。

 これはあくまでリクルートさんの戦略ですから、意見はありません。

但しお宿さんの戦略としては、「初回予約はじゃらん、2回目以降は直プランで」と変革しなければいけない時期であることは断言できます。


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