“厳冬”に向けてのお宿のコスト管理PART1 | 旅館・リゾートホテル応援団 伊豆・箱根・熱海 他全国の温泉地、里山活性化を考えます

“厳冬”に向けてのお宿のコスト管理PART1


ここ数年宿泊マーケットは変化しています。それは予約経路、ゲストニーズ、他業態からの新規出店、勝ち組負け組等のキーワードに隠されています。

 今までの成功経験、成功神話では通用しないほど、あきらかにマーケットが変化しているのです。


では予想される“厳冬”に対しどう対処すれば生き残って行けるのでしょうか?

ヒントは「雪国」にあると考えます。

私も北海道出身ですが、雪国では来たるべき冬に備え、秋から様々な“越冬”準備をします。

今からでも遅くありません。

お宿の越冬準備をしましょう!


・設備面

【隙間の目張り】

ちりも積もれば山となります。室温が1℃上昇するだけで暖房費の節約効果は大きく変わります。客室、パブリックなどチェックしましょう。特に業務用エアコンを使用する事が多いパブリックスペースは要チェックです。

【ガラス面への保温シート貼り】

最近では遮光性の低い高性能の保温シートが出回ってきました。外観、景観に大きな不具合がでる場所以外は貼りつけるだけで保温効果が上昇します。

【大浴場の夜間保温シートの導入】

ご存知のように、重油代は10月から上昇し、12・1月においては8月の4倍~6倍に跳ね上がります。詳細は先日アップした「お宿の簡単コストダウン術PART1 露天にシートを」
に記述してありますので参考にしてください。

未使用時と35%位違ってくるのは実証済みです。

【プラスワン毛布の準備】

寝るときに「少し寒いな」と思っても、以外に貸出してくれる毛布を用意されてないお宿さんは多いですね。「毛布」を買う経費か・・と悩む前に是非購入をお薦めします。寒ければ、殆どの方が「暖房」を使ってしまいます。加湿器も普及していますが、お客様は基本的に睡眠時暖房は使いたくないもの。暖房費節約+顧客満足度向上で好いことづくめです。(もし余裕もあるようならレストランなどでのご婦人用膝かけのご用意も)

【空調排出ダクトのチェック】

大浴場脱衣所やパブリックなど業務用の大型空調機を使用している場合、暖房の排出口の近くに意外に外部へのダクト口があり、そこから冷たい外気が流れ込んでいます。設備上必要ですので撤去はできませんが、この排出口の羽を本当に微量に調節しておきましょう。下手をすると「温めている傍から冷やす」というアホな結果に繋がります。

【給湯ボイラーのマメな切り替え】

館内で使用する給湯(一般のお湯)ボイラーを、施設さんによっては2つ使用する事も多くあります。その場合、給湯使用料が落ちる夜間23:00位~早朝6:00位まではボイラー1つで稼働し、未使用ボイラーのスイッチはマメに切りましょう。


・営業面

【DM準備】

普段DM(ダイレクトメール)を集客に活用していないお宿さんなら、是非活用しましょう。立地により閑散期は違いますので、例年集客に苦労する時期があればその1カ月前くらいにお手元に届くように作成し、発送してみてください。小さいお宿さんはコストを考え手書きで。その為に、早めからの準備をするのです。

【新聞折り込み連合広告の活用】

周辺顧客を費用対効果良く集客するには意外に効果が見込めます。例年、首都圏・大都市を除いて全集客の20%~30%位集めている地域の「新聞折り込み連合広告」を調べておきましょう。計画的に利用すれば効果大です。“厳冬”は宿泊業ばかりではありません。広告業界も稼ぎ頭の「求人」クライアントが不調で大変な事になっています今年はお得に出稿できるチャンスです!(但し、プラン作成には、周辺の競合店の価格やプランなど傾向と対策をよく考えて慎重に。このくらいで売りたいからは、もう通用する時代ではありません。)

【新規ネットAG契約】

現在「じゃらん・楽天」以外に幾つネットプランを掲載していますか?

勿論ターゲティング上重なり合うとか処理の煩雑化など、やらない言い訳はあるでしょうが、繰り返しますが“厳冬”です。少しでも幅広く告知する事は必要です。その場合、じゃあ明日から掲載、という訳にはまいりませんので、無料掲載(宿泊料発生手配)できる旅行予約サイトがあれば早めの準備を。

又賛否のある「ゆこゆこ」ですが、ノッポは個人的に今年度はすべきと考えています。お宿のマーケティングの基本は売上構築です。手数料率の高さは変動費です売り上げがなければ変動費は発生しないのです」

この理屈お判り頂けますでしょうか?

【料理の見直し】

 これは、「お客様を呼べる商品開発を!」と唱えているのではありません。先程プラン作成時のご注意で申し上げましたが、「“厳冬”用プラン」は宿泊単価が低価格路線に向かわざるを得ないお宿さんが多くなると思います。

 その時に、従来までと同じ考え方で「料理原価=宿泊代金×0.○○」的な発想で組み立てせず、料理原価も「変動費」と認識し宿泊代金以上の満足を提供できるものに見直そうという事です。料理も従来と同じ発想で提供すれば、ほぼ間違いなく“厳冬”どころか将来にわたって“氷河期”です

 ※この考え方は、月間の損益分岐点に到達しなければ、皆様の懸念通り食材費の圧迫になります。ですので、必ず、自館の損益分岐点売上高と、それを基に必要集客数を算出し、戦略を練ってください。お聞きになりたい事があれば、無料でお伝えさせていただきます。

【販促ヒント】

まだ他にも“厳冬”対策はあるのですが、あまり皆さんが同じことを実施しても逆に意味がなくなりますので・・・

先も書きましたが、ご質問があればお尋ねくださいませ。

ヒントの一つとしては、11-3月の比較的集客が容易な時期に、お泊まりいただいたお客様に「魔法の仕掛け」を施します。もう一つは、従来のネットAG予約サイト以外のインターネット集客法を活用します。勿論「変動費」で。

あっ、最後にもう一つ。クローズマーケットを使って思い切った戦略をとりましょう。


 お宿の越冬仕度、如何でしたでしょうか?

最後になりますが、この越冬仕度。早く考え、計画的に仕掛ければ、経費も効率的になりロスが減ります。また支払いベースも分散され「いい事づくめ」なのです。


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