歩みを進めるたびに鈍く響く痛み
いつもの距離がひどく遠く感じる
ならばと歩みを止めても意味がない
階段を見上げ絶望する
初めての痛み
そう
これは
ぎ っ く り 腰 だ (泣)


こんなに痛いなんて聞いてないでござる
まさか自分がなるとは思っていなかったなあ
今年で24歳だけれど
年のせいか運動不足のせいか
……どっちもか
隣を歩いていた人が唐突に歩みを止めた

「もう君がわからない」
全てに絶望したように手で顔を覆って
その人は嘆いた

そうやって自分で目隠ししてりゃ世話ないよね
そんなことを思いながら
君を見る僕の目はきっと冷めきっているだろう

君はそれにすら気付けない

その手を取っ払って
この胸をひらいて
もう少しも揺れなくなった
僕の心を見せつけたら
何かが変わるのだろうか

きっと何も変わらない

僕らは何処にも進めない

この心臓は動かない
君の唇からこぼれた言葉が
あめ玉になって僕に降ってくる
苦かったり
甘かったり
きらきらしていたり
濁っていたり
あまり数は多くないから
僕は大事に1つずつ
残さず口に運ぶ

あめ玉は僕の中に染み渡り
どんな味だって
僕の生きる糧になる

口数の少ない君の
言葉ひとつひとつが愛おしくて
でも僕は欲張りだから
少しのあめ玉じゃ
ちょっと物足りない

だからもう少し話しませんか
声を聞かせて
食べるのが追いつかないくらい
君の言葉が欲しい

きっと僕は君のなら
毒でできたあめ玉だって
迷わず
口にするのだろう