唐突ですが「驚いて」と言われたらみなさんは驚けますか。どうですか。
「驚くフリ」はできるとおもいますよ。はっ⭐︎ってね笑
でも本気で驚くことはできないですよね。このように、私たちがある状態から少しでも「変化」する場合は、『自分の力だけでは不可能なんです』。
・「驚く」ということは「普通にしている状態」から「驚いた状態」への変化
・「興味を持つ」ということは「興味があまりない状態」から「興味を持った状態」への変化
・「怪我をする」ということは「怪我をしていない状態」から「怪我をした状態」への変化
・「悲しくなる」ということは「悲しくない状態」から「悲しくなった状態」への変化
と、例をあげればきりがありません。
「興味を持って」と言われて興味が自然と湧いてくることはないでしょう。

しかし、ある『原因(トリガー)』があればどうでしょう。自分で驚くことができないですが、今この瞬間に震度7レベルの大地震が起きたとすれば、驚きたくなくても驚いてしまいますよね。
興味を持つのだって、自分ではどうしようもないですが、他人から『興味深い話を聞かされる』というトリガーがあれば自然と興味も湧いてくるでしょう。
したがって、我々の感情などの変化を表す動詞のほとんどの使い方は
“S(トリガー) V O(人)…"
となるんです。
・The news surprised us all.
・The car accident killed him.
・The fact that she couldn’t pass the exam discouraged her.
といくつか文を作ってみましたが、これが「感情等の変化」に対する人類共通のメカニズムなんです。『必ずトリガーがあって我々はそれに影響される』。
“The news surprised us all.” というこの文に対して、我々日本人は少々な違和感を感じてしまいます。それは「主語が無生物」だからです。日本語は「人を主語にすると自然になる」性質があるので、この文の主語が人になるように書き換えるためには、「受動態」で書き換えればいいじゃんということになります。
“The news surprised us all.” → “We were all surprised by the news.” このように受動態で表現すればいいのは、理解できたと思われます。

頭を悩ましてしまう原因は、実は英語ではなく日本語にあるんです。
「驚く」という表現を我々日本人は使いますが、これはまるで「自分から驚いている」感じがしませんか?
正しくは「驚かされる」なんです。先ほど述べたように、自分の力だけでは「驚くことはできません」。
日本語が『変化のメカニズム』に反した表現の仕方をしている一方で、英語はこのメカニズムに従っているんですね。この食い違いがわからなくなっている原因なんです!