英語という教科において大変な分野というのは限られており、その一つが「比較」であるのは明らかでしょう。
またその「比較」の分野でも理解しておかなくてはならない「構文」や「用法」がうじゃうじゃ…。
ということで、
not more than A
no more than A
not less than A
no less than A
の区別について考えてみようと思います。
まず、そもそも、これらの表現を如何にして導入するかという段階から話をしたいですね。まず、これらの表現は区別する『理屈』はちゃんとあります。まさに数学の証明のように。
これらの表現の意味の大きな違いは「no と not の否定範囲の違い」にあると言えるでしょう。
それについてグダグダ語る重要性と実用性が、僕はないと考えています。なぜか。言語というのは、「使われてはじめて言語」になるんです。もっと言えば、「書いて使う」よりも「話して使う」ことの方がよっぽど重要です。なぜなら、「話して使う」ことのできるレベルまで到達すれば、それを「書く」ことはそれ程苦労することはないからです。
故に、重要なのは、「これらの表現の核”core"となるイメージをつかむ」ことであり、これさえ知っておけば、表現する際にそのイメージを頼りに文を構築することができるからです。
それではいってみましょう。一応参考に図を作ってみたので使ってもらえればと…。
ざっと簡単に説明してみます。まず、イメージからです。
no less than A と no more than A は、『ある数量を肯定的・否定的に捉える』時に使う表現であり、
not less than A と not more than A は、『A が最大・最小』だと言いたい時に使う表現です。
なので、こう覚えましょう。
“not は最大・最小”
“no はある数量をプラスマイナスで判断”
と。

図1

これを覚えてしまうだけでいいんです。あとは導けます。さらっとみてしまいましょう。
no less than A では、less というマイナスの言葉を no で否定することから、ある数量を『肯定(プラス)的に捉える』ため、「A もある」という意味になります。
no more than A は、そのまさに逆。more というプラスの言葉を no で否定することから、ある数量を『否定(マイナス)的に捉える』ため、「A しかない」という意味になります。
not less than A は、図から「A より少なくない」=「A が最小値」=「少なくともA」という意味になります。
not more than A も同様に、「A より多くはない」=「A が最大値」=「多くてもA」という意味になります。
単に個別に意味を覚えるだけではなくて、そのイメージを理解することで、こういった難しい表現を使いこなすことができるようになるんですね!