私はまた部屋に閉じこもった。


1年生の時はただ休みたかっただけだったが、

今は休みたいわけじゃなかった。


でも身体が言うことを聞かなかった。





涙が出た。


1年生の時の担任の佐々木先生の涙を思い出した。



学校に行けないってこういうことなんだ…

なんて辛いんだろう…


と思った。


先生はだから泣いていたんだ。





私にはまた何もなくなった。


両親と同じ高校に進学したいと思っていたのに…


ずっと習っていたバレエやピアノや英語も辞めてしまった。



母にとって価値のない娘なのではないかと絶望した。







両親と同じ高校に進学して



喜んでほしかった

褒めてほしかった





でももう叶わない…






母が突然部屋に入ってきた。


手に持っている用紙を床に落とした。


なんだろうと見ると、

つい最近学校で受けた学力テストの成績表だった。




300人中112番だった






目を疑った。

理科と社会が50点くらいだった。




今までそんな悪い点数や番数をとったことがなかった。


放心状態でいると、母が




それがあんたの本当の実力なんだよ!





と怒鳴り私を睨みつけた。






なんて言ったらいいのかわからなかった。


テストでいい点数をとっても、



意味がないと

ずっとずっと言い続けてきた母が



なぜ悪い点数をとったからといって怒っているのかわからなかった。



これが私の実力?




黙っていると、

母は音を立ててドアを閉めて出て行った。





残された私からは涙が流れ落ちて

成績表がみるみるうちにしみだらけになった。




私にはそれを眺めるしかできなかった。