私が中学1年生になった時、兄は3年生にいた。



小学校より生徒がたくさんいたから、頻繁に兄を見ることはなかった。




兄は小学生の時よりも、ずっとずっと厳しい顔つきになり、相変わらずうつむいていた。


ひとりぼっちだった。






中学生になった私には目標があった。

それは、父と母と同じ高校に合格することだった。 

田舎では進学校で、私達の中学校からは、300人中上位30人ほどが合格圏内だと言われていた。


その高校に入学して、何かしたいとかではなかった。



ただ父と母と同じ高校に行きたいと思った。




そしたら、喜んでくれるんじゃないか、褒めてくれるんじゃないかと思った。




私は頑張った。

テスト前になると、毎日何を勉強するか書き出し、勉強が終わったらチェックした。

夜中まで勉強し、風呂で寝しまい、溺れかけたりしていた。

そしてまた朝は早く起きて、登校まで勉強した。



私は

必死だった。







定期テストはいつも30位以内だった。

10位以内になる時もあった。




私は嬉しかった。






でも、母は喜ばなかった。

兄の受験でそれどころではなかった。






そしてまた言った。


そんなこと

意味がない



と。







私は、なんだか絶望していた。


毎日毎日、学校へ行って、部活に行って、習い事に


行ったり塾に行ったりして


本当の気持ちを話せる人は誰もおらず



努力してもしても、欲しいものは手に入らなかった。


なんだか

疲れたな

と思い始めた…