私は休み時間になると、友達には保健室に行ってくると言って教室を出た。

一緒に行くよと言う友達に笑顔で、大丈夫と言った。




階段を駆け上がって、廊下に出ると、進路指導の先生の後ろ姿が見えた。

誰かと話しているようだった。




少し近づくと、あいつらが見えた。







俺たちがそんなことするわけないし。

なんで火遊びなんてしなきゃならないんだよ。

誰だよ、こんなこと書いたやつ。

先生、誰かわからないの?







私は恐怖で動けなくなった。


周りはザワザワと騒がしいはずなのに、それは完全に聞こえなくて、あいつらと先生の声だけが耳元で話されているかのようにはっきりと聞こえてきた。





先生は


本当にお前らじゃないんだな?

信じるよ?

身に覚えがないんだな?


と何回も確認した。






はい、俺たちじゃないです。




わかった。

誰が書いたかはわからないけど、書かれるようなことをするんじゃないぞ。





俺たちなにもしてないしな。

真面目だよな。




とあいつらが笑った。






先生も一緒に笑っていた。









だめだった。

だめだった。


何も変わらなかった。

何も変えられなかった。





ただ、私がうそつきになっただけだった。