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ひみつな秘密のものがたり

こんばんわ。

このブログは秘密です。

決して誰にも漏らさないでくださいね。

秘密ですよ、秘密ですからね。

それでわ、お楽しみください。

大通りから少し入った路地に、
古い本屋があった。
カビた臭いの狭い本屋には、
多くの本が並んでいた。
 
おれは友達5人とぶらぶらしていた。
偶然、その本屋の前を通りかかり、
5人は申し合わせたように、
中に入った。
 
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しばらくして狭い店内に
軽い音が響いた。
「ぷぅぅぅ~」
「ぴっ」
 
狭い店内に、
濃厚な屁の匂いが充満するのには、
時間は
ほとんどかからなかった。
 
店内にいた
おれを含めた友達6人が
全員、
音のした方に集まってきた。
 
音源に近い容疑者が、
おれを含めて2人、皆の前にたった。
おれ以外のもう一人の容疑者は、
おれの横で本を見ていた浅田くんだ。
 
各容疑者は、
「おれはしていない」と、
現場の状況その日の体調を説明して
無実を皆に訴えかけた。
 
そして、
容疑者の説明が終わるとすぐに
6人の被害者(内1人は加害者)達の
判定が下された。
 
民主主義によって、
おれの屁は浅田くんのものになった。
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(2005年発表)
第二話 長崎
 
天気のよくない日が多いのが
長崎県の特徴なのか?
昨日の夕方のぽつぽつした雨は、
今朝には降ってはいなかった。
 
路面電車が行きかう懐かしい街並みが、
昼間の雑踏を和ませていた。
俺は昨日から長崎市内にいた。
今日のクライアントは曙町にいる。
俺は路面電車を宝町で降りて、
稲佐山方面に歩くルートを選択した。
歩くのはたいした距離ではない。
時間もあり、気持ちいい陽気だ。
散歩がてらに丁度良いではないか。
 
ホテルのラウンジで朝食をとる。
和風定食にするか、
洋風セットにするか、少し考えた。
珈琲は飲みたいが味噌汁も食べたい。
少し悩んだ後、珈琲が勝利した。
さぁ、
朝食もとったしのんびりと出かけるか。
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なんの問題もない。
全てが順調に進んでいる。
路面電車が車をかき分けて進んでいく。
すぐに宝町に到着した。
「ギッギー」
「プシュゥ」
扉が開き、すがすがしい陽気の中、
俺は一歩を踏み出した。
 
「グュルルルゥ」
 
なんだ?今の異音は?
おかしい。何かが狂いだしている。
なんだ。
「グュルルルゥ」
うぉ!凄まじい腹痛が俺を襲った。
やばい!
 
最新式のホテルのウォッシュレットで
完璧をきしたのに。
なぜだ!?なぜなんだ!?
あの洋風セットの野郎か?
「グュルルルゥ」
うぉ!原因はどうでもいい。
今、この状態を何とかせねばいけない。
 
コンビニ、パチンコ屋、なんでもいい。
今の俺に必要なものは
たったひとつの便器なのだ。
どんなに汚くてもいい。
壊れて、臭くても、丸見えでもいい。
便器がほしい!
誰か!俺に便器をぉ!
 
「グュルルルゥ」
うぉ!だめだ!
肛門の括約筋も一杯一杯の状態だ。
早く何とかしなければ、
俺が醜態を晒すのも時間の問題だ。
店も何もないじゃねえか!
何でこのルートを選択したんだ!
俺はなんてバカなんだ!
 
「グュルルルゥ」
うぉ!このままではかなりヤバイ。
流動性の高い排泄物が今にも、
「こんにちわ!」
と顔を出しそうだ。
早歩きをするにも、
ケツを締めながらだと、
まぬけな歩き方になってしまう。
向かいから歩いてくるおばあさんが、
俺をさけてすれ違った。
 
「グュルルルゥ」
「グュルルルゥゥゥゥゥ」
うぉぉぉ!もうここまでか!
 
奇跡!
ガソリンスタンドがあるではないか。
神は俺に微笑んでくれた。
助かる。
これで助かるんだ!
「トイレ貸してくれ!」
という俺の姿を、
店員が見ることもなく、
俺はトイレに駆け込んだ。
 
「ムリムリムリムリ・・・」
俺を地獄に引きずり込もうとしていた
悪魔は出ていった。
「あ、あ~」「あ、あれ」
悪魔が便器に落ちない・・・。
音もなく天国が崩れていった。
悪魔はケツとパンツのはざまにいた。
どうやら、
慌てた俺はパンツを脱ぐ行動を
省いてしまったらしい。

妙な静けさがあたりを覆っていった。
 
平穏な日になるはずだったのに。
なぜこんなことになったんだろう。
俺が何か悪いことでもしましたか?
歯磨きも、挨拶も、
人には親切にもしてるじゃないですか。
どこで今日の歯車が狂ったのだ。
 
今朝の長崎の心地よい陽気は、
ノーパンにはまだ肌寒い。
落ち着きのない股間がたよりないまま、
クライアントに向かった。

「真っ白いブリーフを買おう」
クライアントとの話はうわの空で、
無意識に手を握り締めていた。
 
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(2005年 発表)
第一話 釧路
 
昨日の夕方から降りだした雨は、
乾いた季節に
ほんの少しだけ潤いを与えてくれた。
すこしづつ暖かくなり始め、
ここ大阪でも春の訪れを
肌で感じれるようになってきた。
 
今日の午後は、
釧路でクライアントに
会わなければいけない。
 
シンプルなデザインの壁掛時計は、
既に8時3分をさしていた。
秒針は高速で回転している。
寝起きで秒針を見ながら
催眠術にかかってしまうな
と思ったところで
我に返った。
いつのまにか8時15分をさしていた。
 
9時55分フライトだ。
そろそろ出かけないとまずいな。
一瞬で身支度を整え、
約27分ほどトイレにこもった後に
パンツを上げるのももどかしく
素早い行動で家を出た。
 
いつもながら完璧な行動だ。
仕事がら、
常に行動は完璧を期している。
 
マンションの地下駐車場、
42番に停められた
黒いBMW i8に乗り込む。
「ドムッ」
今日はKIXまでなので、
久しぶりにこの車にしてみた。
静かにエンジンをかける。
 
ギュルギュルギュルッッ
ホイルスピンさせながら
白煙と共に国道へ踊りでた。
「ドクン、ドクン」
…おっどろいた~、
壁にぶつかるかと思った。
少しパニックになリつつも、
どこをどう走ったか、
信号をまもったのか、
事故をしなかったのかも、
わからないままに、
大阪湾沖のKIXに到着した。
 
いつもながら完璧な行動だ。
仕事がら、
常に行動は完璧を期している。
 
立体駐車場に車をしずめ、
空港ロビーへと向かう。
…少し躊躇した。
なぜならば、俺は飛行機が嫌いだ。
いくら完璧な俺にも苦手なものは、
山ほどある。
だいたいあんな鉄の塊が、
宙を飛ぶわけがないと思っている。
絶対何かのトリックが隠されていて、
みんなだまされているのだ。
 
しかし、今日は
覚悟を決めて乗らなければならない。
クライアントは
釧路で俺を待っている。
俺はどうしても行かねばならない。
2日前から怖くて
一睡もできていない目は、
焦点が定まらない。
 
「ドクン、ドクン」
心臓の鼓動が早くなってくる。
鼓動が手荷物検査に
反応するんじゃないか、
と、思いながら検査ゲートをくぐる。
「ピンポーン」
うわっ!反応しやがった。
いや、
引っかかったのはキーホルダーだ。
驚かせやがるぜ。まったく。
チェックインをすませて、
国内線出発ロビーで待つ。
 
「ドクン、ドクン」
心臓の鼓動が、
さらにうるさくなってきた。
近くの人に聞こえるんじゃねえのか。
横でグレーのスーツを着た、
小柄なサラリーマンが
携帯電話で話をしている。
「今から乗るからさ、
そっちには12時頃には着くよ」
(フッ、無事着けばいいけどな・・・)
いけない
フライト直前の極限の恐怖のため、
どうしても物事を
ネガティブに考えてしまう。
 
ふるえる足で機内に入り
スチュワーデスの近くの窓側の席に
座り込む。
 
なんだ、こんなに少ないのか?
コンパクトなジェット機内に
客はまばらだ。
ひょっとして危険なフライトと知って、
みんな乗らないんじゃねえのか?
いけない、いけない、
またもネガティブな考えだ。
 
外が見えると怖いので、
そっと窓のブラインドをおろす。
「キー・・ン」
ジェット音がやたらと耳につく。
 
「ドクン、ドクン」
「当機はまもなく、
釧路空港に向けて離陸いたします。」
「ゴァー・・・」
う!とうとう離陸しやがった。
「ゴァー・・・」
うぁ!傾いてる傾いてる・・・。
なんだ旋回してるのかよ。
驚かせやがって。
 
「ドクン、ドクン」
焦点の定まらない目は、
雑誌の同じ頁をずっとみてる。
イヤホンからは音楽が流れてくるが
何も聞こえてはいない。
目を閉じて寝ようと試みるが、
寝れない。
それどころか、
2日も寝てないくせに目がさえる。
足の裏から飛行機の振動が伝わる。
足を床にもつけていられない。
 
「ガクン!」
うぁ!なんだなんだ。
なんの音なんだよ!
「グオン!」
うぁ!ジェット音が変わった。
どうしてなんだ。
「ゴアー!」
うぁ!いま少し落ちなかったか。
「当機は関西空港を出発し、
順調に飛行いたしております。」
うそつけ!
もういやだー!降りる!降ろしてくれ!
心の叫びが頭をかける。
 
「お客様、お飲み物はいかがですか?」
お!スチューワーデスさんだ。
ここは冷静を装いながら、
ジェントルに対応しなければいけない。
「ス、ス、ス、スープを下すぁい。」
いけない
歯を食いしばって
恐怖に耐えていたために
声が反転してしまった。
くそ!笑われてるじゃねえか。
かっこわるいぜ。ったく。
ええい、そんなことはどうでもいい。
今は生きるか死ぬかの瀬戸際なんだ。
 
もうそろそろ、北海道の上空だろう。
ソー・・・っと、
ブラインドを少し上げてみる。
「お客様、今は函館上空です。」
親切にもスチュワーデスが
声をかけてきた。
「ホラッ」
「ガバー」
うわっ!
勝手にブラインドを
全開にすんじゃねぇー。
スチュワーデスが親切そうに、
開けた窓を指さす。
「あのあたりが函館の・・・」
ほっといてくれ、外はみたくねーんだ。
しかし気のいい俺は、
「ほぅ」
とつぶやき、
血走った目で窓の外を覗いた。
「おぅっぷ」
当機はマジで空の上にいやがるぜ。
 
「ゴァー」
その後、釧路空港まで
どのようなフライトを経験したかは、
覚えていない。
ただ、釧路空港には、
呆然とよだれをたらしながら
たたずむ俺がいた。
「明日、帰らなければいけない・・・」
声にならない言葉を、
ぐっとかみしめた。
涙が一筋、
ほほを流れたような気がした。
 
いつもながら完璧な行動だ。
仕事がら、
常に行動は完璧を期している。
 
ーーーーーーーーー
(2005年 発表)

ひみつな秘密のものがたりです。

10年以上前に投稿していたものを少し変更して投稿しますね。

むかし見たことのある人も、新しく見られた人も、

秘密でよろしくお願いします。

他人には漏らさないように…