Noo・シネマ・パラダイス
原則ネタバレなしの印象批評+採点評価  〈★5コで満点 ☆は0.5点〉


偏見と知ったかぶりに満ちておりますが


とりあえず1日1本アップしていきます


明日のアナタの映画選びの参考に!


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サラマンダー

サラマンダー (2002/英=愛=米)
■物語の舞台は20年後のイギリスなんだけど、竜たちによってほぼ焼き尽くされ荒野と化してしまっている。で、この雰囲気づくりが実にいい。灰色の空、黒い廃虚、疲れ切った人々、そして山の向こうからすーっと現れ、要塞を襲う黒い竜・・・
どよんどよんです。


■ロンドン郊外に要塞を構えるクリスチャン・ベイルのもとに、マシュー・マコノヒーが軍隊崩れみたいのを率いてやってくるんだけど、さてこいつらは敵か見方か、みたいな、ヒューマンドラマの部分が結構多く描かれていて、“サラマンダー”の露出はそんなに多くない。怪獣パニック映画を期待してると肩透かしにあうかもしれないけど、それでも「圧倒的」な竜のパワーは見応えあるです。
あと、このマシュー、ビツクリです。マッチョだしひげ面スキンヘッドで最初誰だかわかんなかった。


■設定的に物語が破綻している部分もあるんだけど(この辺は下で書きます)、トータルとしてはなかなか良くできてるね。「どんより感」の演出に徹底したのが良かったのかな。ロンドンの“巣”の全景をとらえたショットの絶望感ったらもう! 
あと、あんまり映らないけど“サラマンダー”のデザインも良い。ただ、金がなかったせいかアップにしたときの仕上げ(CG?)はちといまいちでした。

評価★★★☆

ポニーキャニオン
サラマンダー



以下ややネタバレ反転

■「小さい個体」であるはずのメス一頭の攻撃にあれだけ手を焼いていたわけで、ラスボスはそいつらメス数百頭を統べ、時にはエサにしてしまうくらいの存在なのに・・・ちょっと弱すぎません??初めて姿を見たときのあの絶望感は一体何だったんだ!って思ってしまうよ。戦いの時に他のメスがいなくなっちゃってたのも何で?

それにさ、こっちの方が重要なんだけど、冒頭で確か「竜は核攻撃を生き延びた」って言ってたよなあ。そんな頑丈に育ったイキモノが、あんな単純な攻撃一発で倒せるなんて・・・。

スパイダーマン

スパイダーマン (2002/米)
■今まで見たアメリカンヒーローもののなかではイチバンの出来だね。こういう映画は原作に思い入れのない方が楽しめる気がする。摩天楼を駆け抜ける疾走感が最高。実はちょっと弱々しく、身近に感じられるピーター君にも好感が持てた。トビー・マグワイヤははまり役なのかな。


■自分的にちょっと残念なのがヒロイン“MJ”役のキルスティン・ダンスト。彼女もちょっと“アメリカ顔”すぎるんだよな。予告でおなじみの“逆さキスシーン”のあとの笑顔はよかったけどね。あのキツイ顔であっちこっちにふらふらされてもなあ。ぶつぶつ  


■その他いろいろと突っ込みどころ、みどころたっぷりで楽しめます。やや青春ドラマしすぎてるところもあるけど、トビー君の素朴な顔が、それもありかなって感じにしてくれるので良しとしましょう。
ゴブリンのマスクよりも素顔の方が恐いんじゃないかと思わせるウィレム・デフォー、新聞社の編集長に扮したJKシモンズなど好演。

評価★★★★
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
スパイダーマン

東京ゴッドファーザーズ

東京ゴッドファーザーズ (2003/日)
■何という(絵の)クオリティの高さ!以前観た「イノセンス」や「アップルシード」はCGを全面に押し出した映像で魅了してくれたんだけども、こちらは言わば“正統派”アニメ。
「冬」「東京」「ホームレス」と言ったキーワードから自ずと導き出されてきたと思われる、その華やかさを抑えた色彩と、都会の汚れた空気まで感じさせるような奥行きのある背景、そして表情豊かなキャラクター達。
技術的な部分は良く分からないけれど、見たまんまで判断すれば最高峰と言えるんじゃないかな。(ワタシのサンプルは少ないけど。)


■話の構成も、よくもまあここまで次々と「奇跡(という名の偶然)」を紡ぎ上げられるものだと笑いながら感心してしまうです。
あらすじとしては、3人のホームレスがクリスマスの夜に偶然見つけた捨て子の親探しに奮闘する・・・ってものなんだけど、展開がちょーっとだるくなってきたらおおーっとハプニング!そしてそのハプニングを解決するためにまた偶然のハプニング!といった感じで強引に引っ張っていかれます。会話一つ取ってもいちいち面白い。ただ、キャラクターの自己表現がワンパターンで、後半飽きてしまったのが難点かな。


■物語が終ろうとするときに、はっとタイトルの意味に気がつく。オープニングのクレジットの入れ方も洒落てるし、そういう細かいところまでニヤッとさせてくれる。ムーンライダースの鈴木慶一の音楽も心地よい。クリスマスの夜にはぴったりだね。傑作。

評価★★★★☆

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
東京ゴッドファーザーズ

プルーフ・オブ・ライフ

プルーフ・オブ・ライフ (2000/米)
■ラッセル・クロウとメグ・ライアン主演。メグ・ライアンの夫(デビット・モース)は南米でダム建設に携わるんだけども、仕事の最中に誘拐され身代金を請求されることに。その交渉役がラッセル・クロウ。


■“許されぬ恋”がテーマのような売りなんだけど、あくまでそれは表面には出さず、微妙な表情の変化やふるまいの変化で表現している感じ。そんな感情まで演じきるたあさすがこの二人だぜえ。え?演技じゃなかった…?ん?


■私生活はまあ置いといて、ラッセル・クロウの男ぶりにひたすら感動を覚える作品。いやむしろ、“漢”だぜアンタ。こんな漢なら男でも惚れるぜえ。
そして捕まっちゃう役のモースも好演。キャスト・アウェイのトム・ハンクスとなんかダブりますが。


■話し的には可もなく不可もなくかな。しかしまあ後半は見応え十分だから、見て損はしないと思う。
評価★★★

ワーナー・ホーム・ビデオ
プルーフ・オブ・ライフ 特別版

パニック・ルーム

パニック・ルーム (2002/米)
■「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスター&「セブン」のデビッド・フィンチャー。でも、実は「セブン」未見なんだよね。ラストシーンのネタバレ聞かされちゃってさあ…。って、んなこた関係ないか。


■序盤の映像、カメラワークと音響でぐーっと作品に引き込まれる。狭い部屋と暗い雰囲気っていうのは劇場そのものに通じるところがあるので一体感がある、そのせいかもしれないね。(よく「潜水艦モノは当たり多し」って言われるのもそこらへんに原因があると思われる。)
テンポはあまりいいとは言えない展開だけど、気が付いたらもうクライマックスになってて驚いた。


■恐~いっていうものを期待してるとちょっとすかされるかも。あと、緊迫感が少し物足りない。これを成功させないと、もう助からない!くらいの説得力があっていい。そこまでできてれば、感覚をぴりぴり刺激しまくりのいいスリラーになったのに。惜しいなあ。


■ジョディ・フォスターはとにかく自然体です。でも、あの格好してなくてもいいよなあ。サービスなんすかねえ。あと、娘役のクリステン・スチュワートがとてもキレイな顔だちで(ボーイッシュだけど)好感。

評価★★★★☆

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
パニック・ルーム

A.I.

A.I. (2001/米)
■近未来、発達したテクノロジーが開発した人型ロボットたちは産業革命をもたらし、炊事洗濯から現場作業、果ては風俗産業まであらゆる“人間の世話”をこなしてくれるようになった。そんな中、初めて「愛」をインプットされた試験機が、ある夫婦のもとに届けられる。機械は愛を理解し表現できるのか。そして人間はその愛を受け入れられるのか。


■みどころは沢山ある中、なんといっても未来世界の映像に圧倒される。そしてハーレイ君を逆食いしちゃった感のあるジュード・ロウの好演。クマちゃんもいい。

ただまあ、ストーリーとしてはもうすこしなんとかならんかったかなって感じかな。同様のテーマに「アンドリューNDR」ってのがあるけど、こちらの方が訴えかけるもの、考えさせられるものは大きかったなー。


■いろいろ出てくるんだけど、総合的には映画というエンタテイメントはこれでいいんだな、ちうところでしょう。残りの感想は、未だ見てない人は読まないほうがいいかもってことで下の方に。

評価★★★★☆

ワーナー・ホーム・ビデオ
A.I.

以下、特にネタバレはないけど反転モード
■キューブリックの企画をスピルバーグが映像化した、ちう背景があったりするけど、たぶんキューブリック好きなひととか、映画を本当に沢山見てる人にとっては「気に入らないもの」に仕上っているのかもしれない。そんな声を多く聞く。

ワタシはと言えば、氏に思い入れはないし、前情報もほとんどなしに見られたので、逆に感情移入でき・・・というか、鑑賞中に何度も映画の世界からから外れそうになる意識を無理やり押さえつけて作品に集中した、ってのが正直なところで。


■思い出せば思い出すほど不思議な作品。ラスト近くは、どうしてなのかわからないけど涙がとまらなかった。きっと次に見たら絶対泣かないだろうし、それより、二度見ることはないんじゃないかな。一発屋映画。後に残るものがないぶん、0.5点マイナス。


インファナル・アフェア

インファナル・アフェア (2002/香港)
■プロローグの部分をよーく見ておかないと、長い間苦しめられるかも。そして大事なラストもわけ分からなくなるので、序盤は集中して見ましょう。
後は、ちょっと気を抜くと混乱するかもしれないけど、警察とヤクザがお互いにスパイしているという基本設定を押さえておけば大丈夫。


■脚本的には非常に良くできた面白い内容。なんだけど、キャラの心理描写が甘いところがありちょっと残念。10年も潜入してれば、「どっちが本職なのか」と分からなくなったりとか、潜入先の人間関係にも悩まされたりするんじゃないのかな?
トニーレオン側(警察→ヤクザ)には少しそういう部分が見えたけれどねぇ。

苦悩という意味では、ヤクザ側の恐さの演出も甘い気がする。ちょっとのヘマで殺されるんじゃないかとか、スパイがばれるんじゃないかとか、そういうヤクザ特有のピリピリした緊張感やスパイ特有のスリリングなシーンがもっとあっていいと思う。警察の命令とヤクザのボスからの命令の板挟みでガチガチに進退窮まるとかね。
んで、そういうのが誇張されてこそ、冷たく都会的な映像のトーンも活かされるのではないかなあ。


■心理描写と言うところでは、実はアンディ・ラウ側の心理の方が重要だったりするのだけど、これもちょっと弱い気がする。ラストの行動の動機になる重要な部分なのにうまく描かれてない。自分がくみ取れなかっただけかもしれないけど、残念ながらちゃんと伝わってこなかった。


■そんなわけで、お話としてはとても面白い、しかしキャラの描き方が弱いせいでちょっと薄っぺらな印象になってしまったという映画。

評価★★★

ポニーキャニオン
インファナル・アフェア(低価格版)

バーティカル・リミット

バーティカル・リミット (2000/米)
■音響と映像は見ごたえあったし、途中そんなに飽きることなく鑑賞できたんだけど…
うーん、言いたい文句が多すぎるぅぅ~~いや~ん

以下ネタバレちょっと混じってますが、部分的に反転しますね。


■キャラの設定、背景説明が甘いから言動にリアリティがない。そういう意味ではむしろクリフハンガーの方がリアリティあった、つーか、背景がしっかりしていたように思う。


■人が死にすぎ。主人公(と、近しい人)だけが生き残るご都合主義で不快。特にニトロで吹き飛んだ二人を殺す意図が分からん。
で、そのニトロなんだけど…
おいおい、そんな簡単に漏れちゃう入れ物でいいのか!?
今どきタイガー魔法瓶だってもっとしっかりしてるんじゃないの~
危機一髪シーンもしつこくて長くてイライラする。


■結論。決して面白くない映画じゃないんだけどねー。なんか波長が合わなかった感じ。

評価★★★

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
バーティカル・リミット コレクターズ・エディション

パルプ・フィクション

パルプ・フィクション (1994/米)
■非常に多くの人から支持されている1本なので、かなり期待して観賞。さてさてその感想は・・・


■ギャングのボスをとりまくチンピラや女を幾つかのグループに分け、そいつらの日常の一コマを描いた複数のエピソードを、時制まで前後させながら組み上げたもの。すげー大ざっぱな解釈ですな。


■予想はしていたんだけど、暴力(殺し含む)とドラッグと与太話、だけ。テンポよく交わされる会話がいちいち面白かったり、静と動の対比みたいなものがうまく表現されてる印象はあるんだけども、なんかどうも自分にしっくりこないんだな~。テーマが良くないのか?

暴力、殺しとドラッグの中にクール(?)な会話や音楽があっても、それをカッコイイとは思えないんだなあ。それがイヤならこの人の作品は見ないほうがいい、とか言われそうだね。


■結局何が言いたかったのだろう。慈悲に目覚めた黒人ギャングと、協力者を殺めてしまった白人ギャングの運命の相違、みたいなことなのかな?ちょっと肌に合わない作品でした。

評価★★☆

アミューズソフトエンタテインメント
パルプ・フィクション

フェイス/オフ

フェイス/オフ (1997/米)
■テロ集団潜伏調査のために、捕らえたリーダー格の男と顔を入れ替えて送りだされる刑事が主人公みたいなお話。アクションは秀逸、アイデアには脱帽。そして二人(ジョン・トラボルタ、ニコラス・ケイジ)の演技には絶賛を送りたい。


■かなり無理を感じる設定だけど、無理を押し通すアクションがそれを忘れさせてくれる。ニコラス・ケイジの最後の叫びが忘れられない。あれに全てが込められている。

評価★★★★☆

ジェネオン エンタテインメント
フェイス/オフ

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