家裁での調査の翌日は、国選付添人との面談でした。
息子が事件を起こしてすぐ、地元の弁護士さんにお願いし示談を取り交わしてもらいました。
息子は警察では拘留されず、在宅からの家裁送致となっていました。
家裁に書類が行けば、審判のための調査が開始されます。
「審判」とは、大人の事件の裁判に相当します。
そして「付添人」とは大人の裁判における弁護人のことです。
そのまま地元の弁護士さんに付添人という形で委任するのか迷っていました。
・・・迷った理由は金銭的事情です。
弁済金、示談金、今までの弁護士さんへの費用、新しい高校への入学費用、等々…
あまりにもたくさんの出費がありました。貯金も解約しました。
またさらに付添人選任のために大金を… その時はもうそんなことを考えられる余裕が無くなっていました。
主人と話し合い、ここまでやれるだけのことはやってきたし、後は親だけで頑張ろうと決め、地元の弁護士さんに付添人をお断りしました。
家裁からはなかなか連絡が来ませんでした。
このまま連絡が来ない・・とか? まさか審判不開始とか・・?(←そんなわけはないのですが)
大人の性犯罪の場合、示談が成立すると起訴されないことがあります。
でも少年の場合、示談しても、教育的観点から必ず家裁送致される、と聞きました。
(もちろん示談をしたという事実は、審判に良い影響を与えるらしいです。)
なので、ただ連絡を待つしかありませんでした。
新しく入った通信制高校では全てのレポートを提出し、スクーリングを出席し、順調な出だしでした。
その矢先に、家裁からの連絡があり、そして鑑別所に収監されました。
鑑別所に行ってすぐに、国選付添人が選任された、と連絡がありました。
とても驚きました。息子の場合は国選付添人の対象外だと思っていたからです。
息子のために・・・とても有難いことです。
それとともに、今置かれている状況は、それくらい重大なことなんだ、と親として改めて身の引き締まる思いでした。
息子の国選付添人になられた弁護士さんは、若くてハキハキ話す方で、頼りがいがありそうな方でした。
審判まで時間がないため、早急にいろいろな手立てをしないといけないこと。
複数の事件のうち、1つだけ示談が成立しなかった事件の被害者に再度連絡を取ってくれること。
障害をもっているので、福祉の面から働きかけを出来るよう動いてくれること。
少年院に行かず保護観察下でも、再犯防止のための具体的な方法の道筋がたっていること。
それが審判の日までに整っているよう、親も一丸となり何事もスピーディーにやらないといけないこと。
などなど、いろいろと話をしてくれました。
今までは、親は謝罪弁済などやることだけやったら、審判まではただ待つしかない、と思っていました。
その考えは間違っていました。
一度罪を犯した子供を再び野に放つこと、社会が安心してそれを受け入れられる仕組み作りが出来ているか、
また言葉だけではなく、その手立てを親が実際に行っているか、それを見られているのです。
その努力が認められればきっと、息子は帰ってくるのでしょう。
今はそう信じて毎日頑張るしかありません。