長いようであっという間だったインド旅行の最終日。毎日がお祭り騒ぎのような混沌とした日々も最後となると名残惜しくなるんだろうなぁなんて思っていたけど、そんな気分に浸る余韻もなく…

 

空港に向かうのタクシーに一方的にキャンセルされ、何度もすったもんだあり、最終的にはオートリクシャーで空港までいくはめになってしまった。(←詳しくは当部ブログ㉑、㉒ついに最終日編を読んでみてね)

 

 

ドタバタコメディのような展開で、大汗かきながら、ようやく到着した首都デリーにあるインディラ・ガンディー国際空港。オートリクシャーから空港循環バスに乗り換え、その車内から空港が見えてきた時には、映画のエンディングを迎えるような、なんとも言えないうれしいような寂しい気持ちになった。本来の予定では、7時半過ぎにタクシーで空港について早めにチェックインし、ゆっくり夕飯を食べてから出国の時を迎える…夜の空港でこの旅の思い出なんかをゆっくり語り合いながら…

 

 

なんて、考えていたのだが、実際に到着したのは9時過ぎ。夕飯を食べる時間すらなくチェックインカウンターに直行。急いで荷物を預けて、セキュリティーチェックを受ければ、まだ軽く夕飯を食べる時間もありそう。だって、飛行機の時間は11時30分だし、よくよく考えたらまだ2時間もあったわ!!

 

 

 な~んだ、余裕だったじゃん!!

 

 

空港に着くまでの必死の形相が嘘のような笑顔が家族から溢れた。




↑でも、この余裕ぶっこいた笑顔も出国ゲートを潜るまでの話(笑)

 

 

無事にチェックインし、出国ゲートをくぐるとそこに待ち受けていたのは、悪夢のような光景だった。

セキュリティーチェックの長い長い行列と言うか、あまりの人の多さで並んでいるのかごった返しているのか分からない状態で、列の最後尾がどこなのかさえも分からない。

これ、一体どうしたらいいの??(涙)

 

 

列に並ぶもなにも身動きも取れないぐらいの混雑なので、とにかく少しでも人が前へ進んだところを陣取り、じりじりと歩みを進めるしかない。そこで待つこと30分あまり、ようやくセキュリティーチェックの列の最後尾のようなレーンの入り口あたりに辿り着いた。ここからは、ディズニーランドのアトラクション待ちのような何度も折り返しになったレーンに並びながら順番を待つのだが、前にはまだまだ200人以上は並んでそう(涙)

 

 

夕飯もまだ食べてないし、30分並んだところで大して前に進んでもいない。

 

もうあと少しで夜10時になるのに飛行機の出発時間に間に合うのだろうか?

 

 

さっきまでの余裕はすっかり消え、家族みんな無言になった。

するとその時、レーンの横から一人のバックパッカー風の大きなリュックサックを背負った白人の青年が声を掛けてきた。飛行機の時間が掛かれた紙を見せてきて、「10時15分発の飛行機に乗りたいんだけど、このままでは間に合わない。よかったら列の先に行かせてもらえないか?」との相談だった。

 

 

搭乗時間までもう30分切ってるじゃないか!!早く先に行った方がいいと促すと、その話を聞いていた私たち家族より前のレーンの人たちも、その青年に順番を譲り始めた。大行列でみんなイライラいているはずなのに、いい人いっぱいだなぁ(涙)

あっという間に先頭まで進めたその青年は、無事セキュリティーゲートをくぐると、ありがとう!と言うように両手いっぱいで飛び跳ねながら手を振り、大急ぎで駆け出して行った。

 

 

 

あぁ、あの子飛行機に間に合いそうでよかった…

 

 

なんてうれしく思ったのも束の間。こちらは、結構並んでるのに、全然進まない(笑)お腹もペコペコで、何か食べ物でもないかなぁなんてバッグを漁ると、日本から持ってきていたシリアルバーを1本見つけた。

 

 

うわぁ~、食べ物あったどー!!

 

 

もはや無人島でやっとみつけた食料並みの貴重さ(笑)

この命をつなぐシリアルバー、家族で4等分して心から美味しく頂いた。でも、シリアルバーの4分の1なんて、一瞬で食べ終わってしまった。

 

 

すると、またレーンの隣りから飛行機の時間が間に合わないから、前に入れてほしいと今度はアジア系のおばさんに相談された。時間を聞くと10時45分発の飛行機。うちの飛行機とそんなに変わらないけど、まぁいいか。先に入れてあげよう。

さっきのバックパッカーの青年の笑みを思い出すとやっぱり助け合うっていいもんだよなぁなんて、気分よく快諾すると、なんとおばさん一人かと思っていたら、次から次へと後ろから家族20人ぐらいがどんどん割り込んでくるではないか!!

 

 

おい!おい!おい!20人は聞いてないよ。おばさん一人じゃないんかい!?

 

 

 

さすがに20人はないだろ!?おばさん、図々しいにも程がある。と、思っていると他の人も同じように思ったのか、そこの大家族は元の列に戻れ!なんて声が他の人からも聞こえてきた。でも、そのアジア系のおばさんは全く聞こえないふりをしてどんどん前に進もうとしてる。ちょっとひと揉め起こりそうな嫌な空気になり始めた。

 

 

 

やばい!やばい!やばい!調子のってこんなこと言わなきゃよかった。


この騒動に発端は、完全に私だよね…

 

 

結局、私の家族がおばさんのところに行き、他の人も並んでるからこんな大人数は入れられないと説得し、ようやく騒動は落ち着いた。ただでさえ、この混雑でみんな殺気立っているのに、こんなひと悶着を引き起こしてしまい、いい人になったつもりが、ただのいたい人になってしまった。

 

 

その後も牛歩状態で列は続き、そんなこんなでセキュリティーチェックを終えた時には、なんと11時になっていた。出発時間まであと30分しかない。遅延率100%という噂のLCCベトジェット、こんな時に限って定刻通りの出発予定を表示していた。空港内には気の利いた売店などもなく、この時間唯一開いていたマクドナルドで夕飯を貪るように食べた。出発時刻まであと10分、走って出発ゲートに向かい滑り込みセーフで、なんとか飛行機に間に合ったのであった。

 

 

インディラ・ガンディー空港には、本当に本当に時間の余裕を持って行くことを心の奥底からおすすめする(笑)