2019年10月末、
待ちに待った仲良し親族での水上温泉1泊旅行に行きました。
久しぶりに車での長旅なので体調が心配だったけど、母は楽しみで仕方ない。
伯母(母の姉)家族は、従兄(母の甥)・お嫁さん・息子・娘の5人。
従妹(母の姪)はこどもはいないので、旦那さんと2人。
そして、母と私の、計3家族の9人旅です。
従兄の息子は家庭持ちですが、このときは一人参加。
従兄の娘は社会人で東京在住。この時は忙しいなか参加してくれました。
私は一人っ子で、子どももいない独り身なので、母には孫がいません。
従兄の息子と娘が小さいころから、いや、生まれたときから、
会えば孫のように可愛がっていたし、二人もいつも母を気にかけてくれていました。
だから、この旅行に二人が参加できるよ、と伝えた時は本当に嬉しそうで、
何よりも楽しみにしていました。
母も伯母も車椅子なので、ホテルはバリアフリー対応必須。
紅葉が始まるシーズンで混んでる時期でしたが、早めに探していたので、
水上温泉の松乃井さんにお世話になりました。
温泉のお風呂場にはバスチェアー(脚が高めの介護チェアー)も置いてあり、
車椅子ユーザーにも過ごしやすい優しいホテルでした。
夕食時、母からみんなに挨拶。
「頭の中にオデキができちゃってみんなに心配かけちゃったけど、すっかり体調も良くなったし、まだまだ元気でいると思うから、よろしくおねがいします。今日はありがとう」と、明るくみんなに御礼をいう母の声に、胸が詰まりました。
母と伯母以外のみんなは母の余命を知っています。
でも、みんなで「快気祝いだね」と乾杯!
詳しいことを知らない伯母は、
「アタマの手術なんていうからビックリしたけど元気になって良かった。アタシより先に逝くんじゃないよ」と笑顔。
初めての親族旅行、母の笑顔で料理も美味しさ倍増でした。
母が、本当にうれしそうで、食後に部屋に戻ったとき、
「〇ちゃん(←私)、旅行を計画してくれてありがとうね。お母さんは幸せだよ」と。
私は涙をこらえられなくなり、荷物を片付けるふりして母から顔をそらし、
何を話したか覚えてないけど、ちょっと返答して、トイレに逃げ込みました。
翌日は谷川岳のロープウェイへ。
早くも見事な紅葉をみんなで満喫し、お昼を食べてからそれぞれ帰路へつきました。
家に帰ってから母は、私と二人の写真を見て、
「○ちゃん、コレ良く撮れてるね。この笑顔がずっと続くようにお母さんは頑張るからね」と。
「そうそう!まだまだ頑張れるよ」と言うのが精いっぱいでした。
母は、この写真とみんなとの集合写真、可愛い孫のような二人との写真をフォトフレームに入れてベッドのそばに置いていました。
いまもリビングに飾ってあります。
退院が決まったときに主治医から、
「11月ごろまでなら体調は落ち着いてるでしょうから旅行へ行くならそれまでに」
と言われ、従兄姉たちの都合を調整し、10月末に行った旅行。
母と伯母は旅行が好きで二人で良く出かけていました。
でもこの旅が、仲良し老姉妹の最後の旅になりました。
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今日は久しぶりに晴れて過ごしやすい日でした。
有休だったので、近くの不動尊に母の病気平癒のお札を返納してきました。
その不動尊で頂いたお札と、
もう1つは昨年9月に巣鴨のとげぬき地蔵尊(延命地蔵)で頂いたお札。
返納場所がわからず、住職さんらしき人(普段着だったけどたぶん)に、
「母が逝ってしまったので返納を、、」と2つ出して言うと、
「そうでしたか。力およばずで申し訳ありません。
この延命地蔵様のお札もご縁ですから、こちらでお焚き上げさせていただきます。
お母上のご冥福をお祈りいたします。」と。
その言葉を聞いたら思わず涙が出てきて、
しばらく境内に座って泣いてしまいました。
最後までお読みくださりありがとうございました。