昨晩、大阪から東京に急いで戻っていた。


テイラーバートンの稽古が21時から始まっていて、僕が品川につくのが23時予定。早く行かねば。

早く行かねばと言っても新幹線に乗ってしまっている僕は急ぐことも出来ない。しかし稽古はもう始まっているのだ。少しでも遅れをとらないようテイラーバートンの台本でも読んでおこう。

なんて真面目なんだ。僕はそんな自分が嫌いではない。そんなことを思いながら台本を何度か読み返した。

するとキングコングの西野からラインが来た。稽古中のはずだ。なにかトラブルでもあったのだろうか。

嫌な予感を払いのけラインを開いた。

「久保田が思ってた以上にポンコツや」とだけ書かれている。

久保田とはとろサーモンの久保田である。大阪時代からの同期で「ある意味天才」と言われてきた久保田だ。ポンコツなはずがない。

「どうした?」と聞くと「久保田はまったくセリフを覚えられないらしい」と返ってきた。そして続けざまに「だから配役を替える」と。

嘘だろ。

「だから台本も書き換える」

嘘だろ。

「だから今日はもう稽古終わりにするわ」

嘘だろ。

なんだよ。急いで返ってきたのに!台本熟読したのに!なんだったら新大阪駅で差し入れまで買ったのに!


最悪だ。


小峠さんお借りします。



「なんて日だ!」


と思っていたら久保田から写真が送られてきた。

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土下座。

うーん、許すしかない。


テイラーバートン・・・稽古初日にして暗雲立ち込めている。どうなることやら。