宮部みゆきさんの作品『長い長い殺人』はすごい。

こんな書き方僕には一生思いつかなかったと思う。凄まじい観点。これは映画化されてたけど、どうやって表現したんやろう?って疑問に思い続けてるんです。今度観てみますんで知ってる方も内緒にしててください。

なぜ、こんな疑問に思うかと言うと財布が話を進めていくからです。

ん??はぁ?何を言ってんのと思ってる人がほとんどかもしれません。

でも本当なんです。

「あるじは上着を取りあげ、袖を通した。するりという音がして私は少し揺さぶられ、然るべくして、あるじの胸の上に落ち着いた。いつもの場所である。私よりもあるじの心臓に近いところにいるのは、あるじの警察手帳だけである」

とこれは、刑事の財布なんですが、このように財布が持ち主の行動を語る訳です。宮部さんはなんちゅう頭をしてるんや?すごすぎる。

刑事の財布、強請屋の財布、少年の財布、探偵の財布、目撃者の財布、死者の財布、旧友の財布、証人の財布、部下の財布、犯人の財布。と計10個の財布がそれぞれのキャラクターで持ち主の行動を語っていきます。財布を通じた現金の動きが大事件の解決へと導く。

こりゃあおもしろい。