タクシーの運転者さんが言った。



「わたし、むかし暴走族だったんですよ」


急なカミングアウト。まったくもって望んでいないカミングアウト。しかし、ミラーに反射する運転者さんの顔は眩しいほどさわやかだ。


「へ、へ~」


という、へっぴり腰の返事を返すと


「こういう前の車みたいに運転下手なやついるでしょ?むかしならぶちギレてましたが今はこの通り。まったくイラッとしません」

というミラーに反射した運転手さんの顔は眩しいほどさわやがだが、目は鈍い光を放っている。典型的に怖いひとのアレである。



運転もうまい。笑顔も素敵だ。それに話し方も穏やかである。


絶対に乗り心地がいいはずなのに乗り心地がひどく悪い。


絶対に大丈夫。大丈夫なはずなんだけど、家の前まで行ってもらうのをためらってしまった僕。近くのコンビニで降ろしてもらった僕。それも一番近いところではなく三番目に近いコンビニで降りて歩いている僕。


こんな僕ですが・・・これからもよろしくお願いします。




あっ!写真はまったく関係ないです。

自分のいかつい写真が見当たらなかったので、一番いかつめの写真のつもりです。


はい。どんまい!おれ!



ほいでは。