若年性アルツハイマーの主人公が

周りの人間や環境に翻弄されながらも

必死に病気とたたかう物語。

 

 

物語を読み終えると、きっと誰もが

「もしも自分が…」

と考えてしまうのではないでしょうか。

 

 

強く印象に残ったのは

主人公がアルツハイマーであることにつけ込んで

親交のある人物が悪事を働く場面。

 

 

そんなことがあっていいの?と

読んでいて

ただただ哀しかったです。

主人公には気づいてほしくなかった…

 

 

自分が病気じゃなかったら

裏切られなかったのかな?

 

 

等、私ならいろいろと考えてしまいそうですが

主人公は病気を上手く

活用するかのように潔く忘れます。

忘れないとやっていけないと思ったのかも。

器の広い人、かっこいいですよね。

 

 

ラストは涙しました。

 

 

奥さんが、おそらくやっとの思いで

主人公を探し出して安堵の表情を見せます。

 

 

ですが

「こんにちは」

と微笑みかけられ戸惑ってしまい…

 

 

このシーン、この物語の中で

最も切ないですが

最も温かいです。

 

 

覚悟はしていましたが

実際にこのときが来てしまうと

やっぱり泣かずにはいられません。

 

 

描かれてはいませんが

記憶を完全に失い体も衰え

奥さんが介護をしている…

という最期を勝手に想像すると

 

 

急に現実を突きつけられた気がして

もしかしたら感動はできないかもしれません。

 

 

ですがこの本を読んで

若年性アルツハイマーという病気を

知ることができ良かったなと思います。

 

 

気になった方はぜひ読んでみては

いかがでしょうか。