仕事帰り。車が渋滞に巻き込まれる。

 

車窓からボーッと眺める見慣れた景色。

 

入院中も病室から毎晩見ていたこのバイパスの街灯

 

オレンジ色の灯りが、深い郷愁に駆られる

   

先は見えているのに一向に進まない車の列。

 

私とおんなじだ…

 

繰り返すリハビリ。

 

これ程の時間をかけても、まだ筋力が追い付かない。

 

走れるようになるまで、リハビリ頑張りたいと宣言したものの、

 

日々の生活に追われ

 

家事もテキパキとこなせず

 

これじゃあ、無理…

 

もともと、目標が高かった訳で

 

怪我の状態を認めれば

 

べつに走れなくても不便はない訳で

 

通院、もうやめようかな…

 

 

でも…

 

多くを語らずとも、気づかないところでリハ後の診察を

 

自ら予約を入れてくれたり、

 

私が知らないところで、

 

ちゃんと気にかけて歩き方を見ていてくれる主治医…。

 

いつも私の膝の状態を心配し、励ましてくれるリハ先生…。

 

やったこともない家事を、率先してやってくれる家族…。

 

そんな恵まれた環境なのにな と思ったら

 

何だか、 涙が出てきた…

 

皆に支えられて、ここまで来れたのに…。

 

もう少しの辛抱…

 

ごめんなさいって気持ちと

 

ありがたい気持ちと

 

ふがいない気持ちと

 

ごちゃまぜになって…

 

精神崩壊。

 

ハンドルを握ったまま、

 

狭い空間の中、

 

怪我をして初めて、

 

声を出して、

 

泣いた・・・。