避けていた。
自分をさらけ出すことを。
いつまでも、カメのように、
甲羅に閉じこもっていてもしょうがない。
子どものころから、たぶん破天荒なやつだった。
よく、草花を味わっていた。
虫を捕まえては「飼う」といって殺した。
ブランコにスーパーマン乗りをして、頭の方が人間重いものだと顔を盛大に擦りむいた後学んだ。
学校帰りは木に登ってアケビをとった。
サワガニとりと釣りは暇つぶしに最適だった。
そして時々、壁の模様や、
自分の名前を反対から読むこと、
物語の挿絵の細部が気になって、
意味を想像することを楽しんだ。
母が耳鼻科に行く時にくれるチェルシーの包み紙で折り鶴を作るのが最大限の暇つぶしだった。
そんな子どもが大人になったら・・・
社会的には、
ちょっと浮いた存在なのかもしれない。
そんな子どもが教師になったら・・・
組織的には、
ちょっと困った存在なのかもしれない。
子ども以上に、
「なんで?」「どうして?」
を、頭の中で繰り返している。
なんでそれをやらなきゃいけないの?
どうして私は生まれてきたの?
やりたいことだけしてたら幸せになれないの?
我慢、我慢、我慢。
それが、いつしか、カメの甲羅のようになり、
私を守っているようでもあり、
私らしくあることを妨げてきた。
私を解き放つのはワタシ。
でも、もうやり方忘れちゃった。
・・・・・
ううん、
心の奥底では、きっと知ってた。
私がワタシであることを。
何度でも、うまくいかなくても、
やり直せば、あきらめなければ、できる。
そんな道具を手に入れたとしたら?
道具を使うことを選んだとしたら?
再浮上。
私は、ワタシらしく、生きてみることに決めた。
新しい私を、よろしくお願いします。